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居直る
「居直る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居直るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
んでいた葉子は、案外冷淡な木部の態度に安心もし、不安も感じた。木部はどうかすると
居直るような事をしかねない男だと葉子は兼ねて思っていたからだ。しかし木部という事....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
に捕われた、一枚の絵であろう。 いや、何んにつけても、早く、とまた屹《きっ》と
居直ると、女房の返事に、苦い顔して、横睨《よこにら》みをした平吉が、 「だが、何....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
えて留った小さな脚がひょいと片脚、幾度も下へ離れて辷りかかると、その時はビクリと
居直る。……煩って動けないか、怪我をしていないかな。…… 以前、あしかけ四年ば....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
いるのを、何か干菓子ででもあろうかと存じました処。」 「茱萸だ。」と云って雑所は
居直る。話がここへ運ぶのを待構えた体であった。 「で、ござりまするな。目覚める木....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
い事が在る己は最う帰る」と云いながら早や寐衣を脱ぎて衣物に更め羽織など着て枕頭に
居直るゆえ妾は不審に思い「何が其様に気味が悪いのです帰るとて今時分何処へ帰ります....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
く筈と、御子息から相談を打たっしゃると、隠居と言えば世を避けたも同様、また本宅へ
居直るも億劫なり、年寄と一所では若い御婦人の気が詰ろう。若いものは若い同士、本家....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
はこれ、手拭でも畳んで法然天窓へ載せようでの。」と捻平が坐りながら腰を伸して高く
居直る。と弥次郎|眼を※って、 「や、平家以来の謀叛、其許の発議は珍らしい、二方....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
質する。それはもはやただの文化に於ける自由主義ではなくて文化主義的自由主義にまで
居直る。之は広義の文学者の意識に於て往々見受けられる形跡だから、私はかつて之を文....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
さえやっている。それは彼の世界征服があまり成功しないと感じた時であり、同時に彼が
居直る時でもある。「僕は何よりも先ず自分の意識を大事にして来た男だから、今それが....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
い。 框の障子を、膝をついて開けると、板に置いた、つつみものを手に引きつけて、
居直る時、心|急いた状に前褄が浅く揺れて、帯の模様の緋葉が散った。 「お恥しいも....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
く死んだもござる。……」 「まったく?」 とハタと巻莨を棄てて、境は路傍へ高く
居直る。 行者は、掌で、鐸の蓋して、腰を張って、 「さればその儀で。―― 隣....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
ない、ないから仕方がない、欠配だ、という。泥棒は居直らず逃げるけれども、オカミは
居直る。狸御殿のトノサマは約束の品物を渡さないカドによってサギだというが、オカミ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
たがり、親しみをいだいていなかった。 「ヤス子さんも、可愛げのない人ね。あんなに
居直るみたいに談じこまれちゃ、旦那様もオチオチくつろげやしないわね」 と、衣子....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
だろう。そして社交としての着物をかなぐりすてると、突然ヤケを起してケツをまくって
居直る。それも万人にあることだ。山口の場合はそれがドギツクでているから異常性格の....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
な素性来歴の者か知らぬが、豪家の息子を丸め込んで、揚句の果に手切れとか足切れとか
居直るのは、彼等社会に珍しからぬ例である。殊に此方は婚礼を眼の前に控えているから....