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「居眠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

居眠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
人気があったが、特別大笑いをして喜んだのは、二、三人の市会議員で、物語の大部分は居眠りをしていた人たちであった。しかし、ひとり背の高い、乾からびたような顔つきを....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
いささ》か滑稽の観があったのは、読みかけた太平記を前に置いて、眼鏡をかけたまま、居眠りをしていた堀部弥兵衛が、眼をさますが早いか、慌ててその眼鏡をはずして、丁寧....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
す。」老人はしばらくしてから、やっと息をつきながら、こう云った。 「今君が向うで居眠りをしているのを見たでしょう。あの男なぞは、あんなによく西郷隆盛に似ているで....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
《どこ》にも見られなかった。帳場の若いものは筆を持った手を頬杖《ほおづえ》にして居眠っていた。こうして彼らは荷の来るのをぼんやりして二時間あまりも待ち暮した。聞....
碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
て、もう少し小さく作りなおそうとした。でもそうすると亀の方が大きくなり過て、兎が居眠りしないでも亀の方が駈っこに勝そうだった。だから困っちゃった。 僕はどうし....
星座」より 著者:有島武郎
だ、……おい、皆んな立つなよ。……何んだ、試験だ……試験ぐらい貴様、教場に行って居眠りをしていりゃあ、その間に書けっちまうじゃねえか」 「俺に用がなければ行くぞ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
神妙に黙って控えた。 頬被のずんぐり者は、腕を組んで立ったなり、こくりこくりと居眠る…… 饂飩屋が、ぼやんとした顔を上げた。さては、差置いた荷のかわりの行燈....
黒百合」より 著者:泉鏡花
捜索を、府下における区々の警察に頼み聞えると、両国|回向院のかの鼠小憎の墓前に、居眠をしていた小憎があった。巡行の巡査が怪んで引立て、最寄の警察で取調べたのが、....
多神教」より 著者:泉鏡花
神楽の人々。「酔も覚めて来た」「おお寒」など、皆、襟、袖を掻合わす。 神職 ……居眠りいたいて、ものもあろうず、棺の蓋を打つよりも可忌い、鉄槌を落し、釘を溢す―....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
唇あれたり。ほの赤き瞼の重げに見ゆるが、泣はらしたるとは風情異り、たとえば炬燵に居眠りたるが、うっとりと覚めしもののごとく涼しき眼の中曇を帯びて、見るに俤晴やか....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
りに、稲の甘い香が耳まで包む。日を一杯に吸って、目の前の稲は、とろとろと、垂穂で居眠りをするらしい。 向って、外套の黒い裙と、青い褄で腰を掛けた、むら尾花の連....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
てさとした。しかし予は衷心不憫にたえないのであった。ふたりの子どもはこくりこくり居眠りをしてる。お光さんもさすがに心を取り直して、 「まァかわいらしいこと、やっ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
からぼっと出の私は、朋輩の与吉や乳母、お手伝いさんたちからいじめられ通しだった。居眠りしている間に顔に墨を塗られて笑い者になったり、返事の仕様が悪いと小言を食っ....
栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
れから御殿に絵画共進会があった時に〈牧童〉を出品されましたが、二人の牧童が一人は居眠り、一人は寝転んでいる大きな絵で、これも大評判でなかなかの力作どした。これも....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
タクシーの隣りには、馬車があった。老人の馭者が、この喧噪の中に、こっくりこっくり居眠りをしていた。馬車とは愕いたが、 「アーガス博士の鑑識研究所へいってくれるか....