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居眠る
「居眠る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居眠るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
《かみそり》でわられたのです。その傷が丹毒になり、二月入院しました。喧嘩しながら
居眠るほど、酔っていた男を正気の相手が刃物で、而《しか》も多人数で切ったのですか....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
であった。全く目があかないほど眠いのであった。幼子《おさなご》が夕食を食べながら
居眠るように、幾日か続いた強行軍で、兵士が歩きながら眠るように、それと同じく眠い....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
スブルグじゃ。赤いモスコー、四角い伯林、酔うがミュンヘン、歌うが維納、躍る巴里や
居眠る倫敦、海を渡れば自由の亜米利加。女の市場がアノ紐育じゃ。桑港の賭博よ。市俄....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
も》に悩まさるる折、綱、金時《きんとき》が宿直《とのい》する古画等に彼輩この風に
居眠る体を画けるを見れば、前に引いた信実の歌などに深山隠《みやまがく》れの宿直猿....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
として正確な鳥の寝顔、猫の寝顔に私は清潔な美しさを感じる。そして汽車、電車の中で
居眠る人間の顔がなぜ不正確で歪みがあるのかを少し情けなく思うことである。 朝起....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
神妙に黙って控えた。 頬被のずんぐり者は、腕を組んで立ったなり、こくりこくりと
居眠る…… 饂飩屋が、ぼやんとした顔を上げた。さては、差置いた荷のかわりの行燈....
「猫」より 著者:豊島与志雄
いって来る。見知らぬ私たちに、喉を鳴らしながら甘ったれる。平気で物を食い、泰然と
居眠る。図々しい呑気な闖入者だ。私たちはその家にもう五六年住んでいたし、猫は生後....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かなり好奇的で根本は驚くばかり冷淡な才知の生温い枕をして、暖かい木陰にうとうとと
居眠るのはいかにも快いことである。 それらの人々はみな一定のはっきりした意見を....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
中は、別天地だ。蛸坊主からも脅かされず、沖繩の海からも誘なわれず、俺はうとうとと
居眠る。そして夢を見た。 両側に欄干のある、橋らしい大道だ。はっきりした橋では....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
から、見ていたゞきませう。さア、どうぞ」 奥の間に羽目板にもたれて、ウツウツと
居眠るやうに坐つてゐるのが、聴音機のオバサンであつた。明るい花模様のヒフをきてゐ....
「上海」より 著者:横光利一
たりして歩いていた。彼は高い建物の上方を仰いだり、門の壁にぺったりと背中をつけて
居眠るように立ってみたりしていると、ふと、向うから若い三人の支那人の来るのを見た....
「三国志」より 著者:吉川英治
れまで」 と、ほっと、一息つくと共に、綿のように疲れた体を、一室の榻に倚せて、
居眠るともなく、うつらうつらとしていた。 ――と、彼の息をうかがって、音もなく....
「三国志」より 著者:吉川英治
みすぐれていた。肉はうすく、漢人特有な白皙長身であった。 その長い膝を抱えて、
居眠るごとく、或る日、孔明は友達の中にいた。 彼をめぐる道友たちは、各※、時局....
「三国志」より 著者:吉川英治
なること林のごとくあれ。――門ごとの守りの兵は、わけて長閑に団欒して、敵近づくも
居眠るがごとくしてあれ」 命を終ると、彼は、日頃いただいている綸巾を華陽巾にあ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
水は、どこか、中華の江南にも似て、Kさん、Oさんのジャーナリスト神経も、ここでは
居眠るほかはない。 第一、まるで話が聞こえないのだ。初期の郵便飛行機に乗ってい....