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居酒屋
「居酒屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居酒屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
人を縛ってしまったんです。いいえ、その時はもうさっきの往来じゃありません。西洋の
居酒屋か何かなんでしょう。お酒の罎《びん》がずうっとならんでいて、すみの方には大....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
《こま》かくなって大抵の家はもう戸じまりをしていた。荒物屋《あらものや》を兼ねた
居酒屋《いざかや》らしい一軒から食物の香と男女のふざけ返った濁声《だみごえ》がも....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
れてはならぬ、気取られてはならぬというような思であるのに、まあ! 廂も、屋根も、
居酒屋の軒にかかった杉の葉も、百姓屋の土間に据えてある粉挽臼も、皆目を以て、じろ....
「人間灰」より 著者:海野十三
内の宿舎に帰って蒲団を被って寝る方が恐ろしかった。皆云いあわせたように、隣り村の
居酒屋へ、夜明かしの酒宴にでかけていった。 後に残されたのは、工場主の赤沢博士....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
で、一二軒、八百屋、駄菓子屋の店は見えたが、鴉も居らなければ犬も居らぬ。縄暖簾も
居酒屋めく米屋の店に、コトンと音をさせて鶏が一羽|歩行いていたが、通りかかった松....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
三 「私はね、旦那。まだその時分、宿を取っちゃあいなかったんでございます、
居酒屋、といった処で、豆腐も駄菓子も突くるみに売っている、天井に釣した蕃椒の方が....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
高まって居る。また低い木立や草叢がある。暫く行くと道標の杙が立って居て、その側に
居酒屋がある。その前に百姓が大勢居る。百姓はこの辺りをうろつく馬鹿者にイリュウシ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
へ出ました。すきまからあかりが往来へさしていました。これはそのころの安宿で、半分
居酒屋のようなものでした。ところで、そのなかはホルシュタイン風の百姓家の台所とい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の
居酒屋のあたりをぶらついてはなれない頑固な癖があったからだという。それはともかく....
「一老人」より 著者:犬田卯
の老爺に直接顔をつき合せたことがなかった。家内はしばしば道で逢って話したり、村の
居酒屋で老爺がコップ酒を楽しんでいるところへ行き合せ、限りもない追憶談の中へ引き....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
任せに後へ引放した者がある。 (顔を見ろ、) (や、) (蒼くなれ蒼くなれ、奴、
居酒屋のしたみを舐めやあがって何だその赤い顔は贅沢だい、我が注連縄を張った町内、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、印袢纏に弥蔵をきめ込んで職人の仲間へ入って見たり、そうかと思うと洋服に高帽子で
居酒屋に飛込んで見たり、垢染みた綿服の尻からげか何かで立派な料理屋へ澄まして入っ....
「西航日録」より 著者:井上円了
にはおのずから霊妙さがある。今夜はいずこに宿するかも知らず、汽車をおりてそのまま
居酒屋に入ったのである。) 五日、夕八時シアトル港に着す。当港は開市以来わずか....
「ある男と牛の話」より 著者:小川未明
手綱を引いて歩きながら考えました。 町を出てから、田舎道にさしかかったところに
居酒屋がありました。そこまでくると、男は、牛を前の柳の木につないで、店の中へはい....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
わせて、橋を渡って行きました。三人はいつものように、炭を売ってしまった後で、町の
居酒屋で一杯ひっかける楽しみのほか、何の考えもなく足を早めて道を歩いて行きました....