屈み込む[語句情報] » 屈み込む

「屈み込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屈み込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
平を保つように、各自の位置を平均して取ってくれたまえ」 東屋氏は上機嫌で船縁に屈み込むと、子供のように水と舷側の接触線を覗き込んでいたが、不意に立上って私をふ....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
切れた従業員の正帽がひとつ、無雑作に転っている――。 警察医は、早速屍体の側へ屈み込むと、私達を上眼で招いた。 「――温度の関係で、硬直は割に早く来ております....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
ン棒です。おまけにその皮膚の色は、血の気が失せて鉛色なんです。助役は青い顔をして屈み込むと、でも、平気でその肌へ指をグッと押付けました。するとその部分の皮膚は、....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
わざとトボケてるのか、これから実験して見ましょう」 そう云って「怪我人」の前へ屈み込むと、眼だけ覗いている繃帯頭の顔を、ジーッと睨みつけた。 「怪我人」が再び....
反抗」より 著者:豊島与志雄
して、それかって友人との雑談にも気が進まなくて、彼は一人ぼんやり、池の縁の木蔭に屈み込むことが多かった。薄濁りのした水面には、朝日の光りが斜に落ちて、赤や黒の鯉....
道連」より 著者:豊島与志雄
知った。僕が崖から飛び下りれば、その男も飛び下りてしまうに違いないし、僕が其処に屈み込むか後に引返すかすれば、その男も同じようにするに違いない。 「飛び込んでし....
守宮」より 著者:豊島与志雄
それが何度か繰返された。宛も、徐々に身を起して、窓に何かを見つめ、恐れて急に屈み込む、そういう動作が繰返されてるかのようだった。私はそこに佇んで、それを眺め....
或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
体のうございます」 (妙な美男、上手より登場、急いで、在るか無きかの築地垣の陰に屈み込む) 式部「あれ、誰か、そこに人が来たようだね」 老侍女「そうでございます....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
したついでだ、と思ったのでもなかろうが、そのまま膝で歩き寄って、隅座敷の窓の下へ屈み込む。 そして、ややしばらく、じっと耳を澄ましていたが、時折黄色い銀杏の葉....