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屈伏
「屈伏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屈伏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すという術《すべ》もあるが、大抵の人間はこの無言の責め苦に堪え切れないで、結局は
屈伏することになる。鉄造もこの拷問に堪えられなくなって来たらしく、手酌でむやみに....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
られませんでした。しかるに五月十日以来のドイツの猛撃は瞬時にオランダ、ベルギーを
屈伏せしめ、難攻と信ぜられたマジノ延長線を突破して、ベルギーに進出した仏英の背後....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
した。 「おまえらもすでに神通力を具えているらしいのに、なぜかの妖怪どもに今まで
屈伏していたのだ」と、李は訊きました。 「わたくしはまだ五百年にしかなりません」....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
寄せている。その柔かい筋肉とは無関係に、角化質の堅い爪が短かく尖の丸い稚ない指を
屈伏させるように確乎と並んでいる。此奴の強情!と、逸作はその爪を眼で圧えながら言....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
に強大なもので、その物質的の力はわたしの犬を殺したほどです。わたしも恐怖のために
屈伏したらば、犬とおなじように殺されたでしょう」 「あなたの犬を殺しましたか。そ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
脚本|改竄の我儘を主張したが為である。彦三郎といえども黙阿弥には敵し得ない。結局
屈伏して原作の通りに上演することになったが、この狂言は非常の好評であったと云えば....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
はおそらく迷信家じゃああるまい。僕も迷信は断じて排斥する人間だ。その僕が迷信家に
屈伏するようになったのだ。僕は今でも迷信に反対しているのだが、それでも周囲のもの....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
艶にし、そうして動作を高尚にし、それを武器として大詐欺師に対向り、大詐欺師をして
屈伏せしめ、白金三十枚を詐欺師の手から、巻き上げようとしたのであった。 そうと....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ことのできない障壁なのだから。とはいえ、わたしの気もちだって、卑屈な奴隷のように
屈伏したりするものか。自分に加えられた危害には仕返しをするのだ。愛情を与えるにも....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
。 しかし、この頃のビスマルクは、もう昔のビスマルクではなく、ナポレオン三世を
屈伏させその鉄血外交の手腕を発揮しつつあった時であった。 さて、夜会の席で、ビ....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
な理屈責にして、お久は頻にお菊の決心を促した。それでも彼女は素直にその道理の前に
屈伏することを躊躇した。まあ兎も角も明日まで待ってくれと、お菊は一寸逃れの返事を....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
私もこのとき初めて思い知った。今まで虫の好かなかった名優の前に、わたしはとうとう
屈伏させられた。殊に近年は鈍帳芝居や鳥熊の芝居などを多く見馴れているので、それに....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
わせの吟味を行うと、手代どもは確かに彼に相違ないと申立てた。それで吉五郎も一旦は
屈伏したが、あくる日になるとまたその申口をかえて、自分にはそんな覚えはない、同類....
「城」より 著者:カフカフランツ
らく望むことをなんでもできるのよ。わたしのことを考えて、あなたはあの横暴な教師に
屈伏し、こんなみじめな地位を引き受け、苦労してクラムと一度話をしようと望んでいる....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
た。 二月末高木清寿氏来訪、原稿をお貸ししたところ、執拗に出版を強要せられ遂に
屈伏してしまった。そこで読み直して見ると前後重複するところもあり、補修すべき点も....