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「屈伸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屈伸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
この影絵の踊りであった。それは、わずかに数本の箸《はし》と手ぬぐいとだけで作った屈伸自在な人形に杯の笠《かさ》を着せたものの影法師を障子の平面に踊らせるだけのも....
橡の花」より 著者:梶井基次郎
。 紅潮した身体には細い血管までがうっすら膨《ふく》れあがっていました。両腕を屈伸させてぐりぐりを二の腕や肩につけて見ました。鏡のなかの私は私自身よりも健康で....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
さぬ岩壁の奥深く、座り続けたためであろう。彼の両脚は長い端座に傷み、いつの間にか屈伸の自在を欠いていた。彼は、わずかの歩行にも杖に縋《すが》らねばならなかった。....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ぎる。三十二相極めて行儀好く揃って居る。若しや此の女は何か護謨《ごむ》ででも拵え屈伸自在な仮面を被《かぶ》って居るのでは無かろうか、併し其の様な巧みな仮面は未だ....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
起床 七時 朝食 八時ヨリ八時半マデ屈伸鍛錬 八時半ヨリ九時半マデ 摩擦 九時半ヨリ十時マデ 屈伸鍛錬....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
の世界一が半分できかかっている。(昭和十年七月十三日) * 腰の屈伸の不自由な病気にかかった。寝ているか、立っているのはいいがすわったり腰かけた....
鐘に釁る」より 著者:寺田寅彦
は連鎖が界面に横臥しうる性質と関連しているとのことであるが、現在の場合でも連鎖が屈伸自在であればあるほど、金属の molecular な空隙に潜入してこれを充填....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
膏細工の人形とすれば、雲は衣裳で、あのようにまで、モデルの肢節にぴったり合って、屈伸するものとは思っていなかった。雲が延びると、裾野のぼやけた緑は、水底に揺らめ....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
、ジャージャーと歯車のすれ合う音を立てながら走りだす、そうしてあの長い鼻を巧みに屈伸して上げたり下げたりしながら勢いよく走るのである。もう一つは毛深い熊があと足....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
かって求心力を発揮し始める。観念は単に狂奔し膨漫するのではなくて、自分自身活きた屈伸性を帯びて来る。ユーモアのこの第三の場合は一般に(逃避的なものに対比して)批....
獄中消息」より 著者:大杉栄
タガタ言わせながら、それでもまだ風一つひかない。朝晩の冷水摩擦と、暇さえあればの屈伸法とで奮闘している。屈伸法のお蔭か腹が大ぶ出て来た。 室は南向きの二階で、....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
、屍体には、屈むのと、伸びる反射運動とが連続して起るのだ。だから創の歪みが、その屈伸に符合する。正数が負数に化ける。二段に起る、曲線が直線に是正されてしまうんだ....
決闘場」より 著者:岡本かの子
一層緊張した。ジョーンは受身|許りでは居られなかった。ジョーンの肉は先ず反撥的に屈伸した。やがて二人の男の肉は、怒った骨につっ張られて劇しく衝突した。湿気を含ん....
澪標」より 著者:外村繁
はすっかり度胆を抜かれた思いで、声を発することもできない。たつははだけた膝を巧に屈伸して、既に高く上って行く。 たつは松の一枝に腰かけ、二本の脚を垂れた。それ....
社大党はファッショ化したか?」より 著者:戸坂潤
いても民衆を結びつけねばならぬ。その結びつきを妨害しない限りそのイデオロギーには屈伸性を与えねばならぬ。もし現在の社大党のイデオロギー現象が、すでにこの民衆結合....