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屈指
「屈指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屈指の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
政党に関係して以来、多少は家産が傾いたが、それでも猶《なお》近郷《きんごう》では
屈指の分限者《ぶげんじゃ》に相違ないと云う事、初子の父の栗原は彼の母の異腹《はら....
「或る女」より 著者:有島武郎
》したらそれこそ狂気になるばかりだろう。今まで打ち明けなかったが、自分は日本でも
屈指な豪商の身内に一人子《ひとりご》と生まれながら、からだが弱いのと母が継母であ....
「鮨」より 著者:岡本かの子
に譲って、店もだんだん行き立って来た。 新らしい福ずしの主人は、もともと東京で
屈指の鮨店で腕を仕込んだ職人だけに、周囲の状況を察して、鮨の品質を上げて行くに造....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の事件が出来したんです」 その頃の小田原と三島の駅は、東海道五十三次のなかでも
屈指の繁昌であった。それはこの二つの駅のあいだに箱根の関を控えているからで、東か....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
り好くないようですが、単に作物として見る時は、この『録異記』などは五代ちゅうでも
屈指の作として知られています。彼はこのほかにも『神仙感遇伝』『集仙録』などの著作....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
郎の新三と中村仲蔵の家主長兵衛が大好評を博したのである。作としても黙阿弥の作中で
屈指の傑作と称せられている。しかもこれは黙阿弥の創作ではなく、やはり寄席の高坐か....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
いよその挨拶が丁寧になった。僕の家は別に大家というのではないが、なにしろ土地では
屈指の旧家になっているので、かれも秋坂の名を知っていて、そのせがれの僕に対して相....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
こともありましたが、大抵はS旅館を本陣にしていました。あなたの言う通り、土地では
屈指の旧家であるだけに、旅館とはいいながら大きい屋敷にでも住んでいるような感じで....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
の知己を得た。そして翌明治三十七年以降は大正三年の病没の年に至るまで、そこの世界
屈指の美術博物館に、日本およびシナの部の首脳として、毎年の半ばをかの地に過ごすに....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
犬に背かれたのを心淋しく感じたのであろう。 『平凡』の中の犬の一節は二葉亭の作中
屈指の評判物であるが、あれは仲猿楽町時代の飼犬の実話を書いたものである。あの行衛....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
々箇立していて一貫する脈絡を欠いている。が、各々独立した箇々の作として見ても現代
屈指の名作たるを少しも妨げない。強て評価すれば、第一編はマダ未熟であり、第三編は....
「活人形」より 著者:泉鏡花
家とせり。 門札を見て、「フム此家だな。と門前に佇みたるは、倉瀬泰助という当時
屈指の探偵なり。色白く眼清しく、左の頬に三日月|形の古創あり。こは去年の春有名な....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
三十一日、晴れ。暑気大いに加わる。午後三時、スペイン港ラ・コルニャに着岸す。同国
屈指の海港なり。人口四万余、新旧両市街より成る。家屋は三階、四階にして、欧州ほか....
「酋長」より 著者:岡本かの子
。別荘そのものはたいしたことはないが、別荘のある庭はたいしたものだった。東京でも
屈指の中であろう。そして、都会のこういう名園がだんだんそうなるように、公開的の性....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
は団十郎、副頭取は菊五郎と左団次。 ○十月八日、大阪の中村宗十郎死す、五十五歳。
屈指の名優にて、東京の観客にも好くその名を知られたり。 ○十一月、市村座にて「蔦....