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屈託顔
「屈託顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屈託顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 朝湯がえりにひょっくりと顔をみせると、ちょうどその日は非番のために、右門が
屈託顔でねこごたつにあたりながら、おなじみのあの十八番のあごひげをまさぐりまさぐ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
しまう方法は微分積分でも容易に発見の出来ぬ方法である。謎の女が苦し紛《まぎ》れの
屈託顔に六畳敷を出たのは、焦慮《じれった》いが高《こう》じて、布団の上に坐《い》....
「女客」より 著者:泉鏡花
、元気が出て、心が活々したんです。それだから貴女はついぞ、ふさいだ、陰気な、私の
屈託顔を見た事はないんです。 ねえ。 先刻もいう通り、私の死んでしまった方が....
「字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
だ。『小さなお姫さま』が心配することじゃあないんだよ。」 「だって、あなたがそう
屈託顔をしていらっしゃると『小さなお姫さま』だって気になるわ。」 「いいんだよ。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ってもたりねえ」
と、ふと彼は考えこんで、そのまま筆を耳にはさんで腕を組んだ。
屈託顔《くったくがお》。
もとの店子《たなこ》おさよ婆さんの一件である。
三....
「三国志」より 著者:吉川英治
訊かれたので、ありのまま、 「いま、魏延の陣所をちょっと覗いたところ、いつになく
屈託顔しているので、どうしたのかと訊くと、かくかくの夢を見たというので、夢判断を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ッそりと笑みを描き、頬の薄らあばたまでがこの人特有な茫とした愛嬌をたたえて、何の
屈託顔でもなかった。 「いや両三日が間は、旅のおつかれを休め、まためったには東国....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
門謹慎のていである。 だがその物音もない奥まった所では、あの木像蟹殿が、どんな
屈託顔に頬杖をついていることか。またはこんなときこそ心ゆくまで閑を愉しむべきだと....