届け出で[語句情報] »
届け出で
「届け出で〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
届け出での前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
接遇所、ロシアは三田の大中寺に、公使館または領事館を置いてあるが、これらは幕府に
届け出でのあるもので、そこに住む者の姓名もみな判っている。そのなかの一人が首を取....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
うまでもありません。 当主の丹下という人は今年三十七の御奉公盛りですが、病気の
届け出でをして五六年まえから無役の小普請入りをしてしまいました。学問もある人で、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
とか日日だとか名乗って通る。配属部隊の方でも怪しみませんでした。しかし袖印だけは
届け出での社名を用いることになっていて、わたしもカーキー服の左の腕に東京通信社と....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
かしそれは有縁のものに限るので、無縁のものはどこの共同墓地に改葬したということを
届け出でさせるに止まるそうである。 そうして見れば、嶺松寺の廃せられた時、境内....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たという事件がある。
隊長の近藤勇は、自身、町奉行に出頭して、無礼討ちのことを
届け出でたが、待っていたといわぬばかりに内山彦次郎が、近藤勇を呼び留めて、奉行与....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
きなかった。彼はその財布を所轄の警察署へ持ってゆき、請求者の意のままに拾い主から
届け出でた拾得物だとして置いてきた。実際その金入れは落とされたものだった。がもち....
「四十八人目」より 著者:森田草平
かにも心苦しかった。そうだ、これはどうしても頭領に届けでるほかはない。一刻も早く
届け出でて、その御裁可を得ておく。もっとも、こんなことまで太夫の耳に入れるのは、....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
其の臭気|夥多しい、一同アッと顔見わせたが兎も角も其死体を舁き上げ、上に其次第を
届け出でて、それぞれ詮議に手を尽したが、この男は何者とも分らず、随って其の死因も....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
に承諾し、己れいまだ一子《いっし》だになきを幸い、嫡男《ちゃくなん》として役所に
届け出でられぬ。かくて両人とも辛《かろ》うじて世の耳目《じもく》を免かれ、死より....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
して江戸へ帰ることになった。 江戸へ帰って五日目に、弥太郎もまた急病死去という
届け出でがあった。相続人の又次郎は父よりも先に死んでいるのみならず、別に急養子を....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
けである。そこへ町方の手先がむかったのは明くる日の午ごろであった。 庄作親子の
届け出でを聞いて、自身番でもその夜はそのままに捨てて置いたが、仮りにもそれが千鳥....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
の煙管を、口へ当てて
「当途《あてど》も無く」
「何っ、当途も無く?――御重役へ
届け出でてお許しが出たか」
「いや、その辺、とんと、失念仕って――」
「こやつ、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
彼が、現地からそのまま帰国の途をとらず、病中なのにわざわざ鎌倉へ立寄って、正しい
届け出での手続きに出たことを、 「神妙である」 として、そのさいの彼には、おお....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
く、総門外の額田為綱からも、 「ただいま、河内殿の一勢が、御門外に到って、着到の
届け出でにおよばれましたが、いかがなされまする?」 と、問い合せてきた。 義....