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届書
「届書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
届書の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
この家にはもう来られないのだ。ふと彼はそう思うと限りなく淋しかった。
園は欠席
届書を小母《おば》さんに託《たく》し、不幸というのは父が頓死《とんし》したのだと....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
を見た。私は黙っていた。しかし腹の中では彼を貰い受けた当時の事さえ思い起された。
届書《とどけしょ》を出す時、種類という下へ混血児《あいのこ》と書いたり、色という....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
思うと、わけのわからないおかしさがこみ上げて来て仕方がなかった。
「代書へ行って
届書をかいて来い、アーン!」
あぶくどもメ! 昨夜の無銭飲食者が、ここではすば....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
せられた時、境内の無縁の墓が染井共同墓地に遷されたというのは、遷したという一紙の
届書が官庁に呈せられたに過ぎぬかも知れない。所詮今になって戴曼公の表石や池田氏の....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ものであることが判明しましたので、本部の塚江事務官が大きに狼狽しまして、大急ぎで
届書を出して正規の手続きをしてもらうように、言葉を卑うして頼みに来たものだそうで....
「堺事件」より 著者:森鴎外
うにと達した。杉が出頭した。すると大阪の土佐藩邸にいる石川石之助の出した堺事件の
届書を返して、更に精しく書き替えて出せと云うことである。杉は一応引き取って、両隊....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
かく家出人の捜査申請《そうさしんせい》は本庁でも毎日受付けて居りますから、どうぞ
届書《とどけしょ》を出されたい」 と返答をした。 「いや、これは失礼をいたしま....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
稼ぎ賊が多いものでございます。 四十八 翌朝に成ると皆々打寄り
届書を書いたり、是から原町の警察署へ訴える手続が宜かろうかなどとゴタ/″\致して....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
。これは医師の立場からして、拙老がどこまでも保証仕るで、御心配には及ばぬ事じゃ」
届書に俊良、食べ合せ物宜しからず、脾胃を害い頓死|云々。正に立会候者也と書き立て....
「申訳」より 著者:永井荷風
に与えたという証書に記名捺印すべき筈もなく、又同書出版の際内務省に呈出すべき出版
届書に署名した事もないわけである。官庁及出版商に対する其等の手続は思うに当時博文....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
豊は長吉が久しい以前からしばしば学校を休むために自分の認印《みとめいん》を盗んで
届書《とどけしょ》を偽造していた事をば、暗黒な運命の前兆である如く、声まで潜《ひ....
「越年」より 著者:岡本かの子
が昨夜のうちに速達で退社届を送って寄こしたということであった。卓上にまだあるその
届書も見せて呉れた。 「そんな男とは思わなかったがなあ。実に卑劣極まるねえ。社の....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
進は無論何とも言うはずはないわけだから、どうだね。早くその手続をしてしまったら、
届書は区役所の代書にたのめばすぐ出来るから、印さえ押せばそれでいいのだよ。」 「....