屋上庭園[語句情報] »
屋上庭園
「屋上庭園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屋上庭園の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
、郊外の家の屋根屋根は、不揃いだと思わないか。君はきっと、銀座か新宿のデパアトの
屋上庭園の木柵によりかかり、頬杖ついて、巷《ちまた》の百万の屋根屋根をぼんやり見....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
一週間ばかり前からの事です。真夜中の二時頃……電車の絶まる頃になるとあのホテルの
屋上庭園のマン中に在る旗竿の処へフロッキコートを着た日本人の幽霊が出るんです。ホ....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
化て、この病院の中に紛れ込んでいたもので、出て行きがけには、明け放しになっていた
屋上庭園から、玄関の露台に降りて、アスファルト伝いに逃走したものと見込みを付けて....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
う夫婦者の職工を棲まわせ、己れ一人は三階の四畳半に独居の不自由を自由とし、尺寸の
屋上庭園には十数鉢の盆栽をならべて間がな隙がなその手いれを怠らず、業余にはこれを....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
飛び降り自殺であった。あまり珍しくないそれであった。 それから数日後にまた同じ
屋上庭園から今度は少しばかり前とちがって建物の反対側へ飛んだ女があった。そうして....
「涼味数題」より 著者:寺田寅彦
かい提燈などを掛けつらねた露店の店飾りはやはり涼しいものであった。近年東京会館の
屋上庭園などで涼みながら銀座へんのネオンサインの照明を見おろしているときに、ふい....
「橋」より 著者:池谷信三郎
さえ、もう彼には実感がなかった。 2 夜が都会を包んでいた。新聞社の
屋上庭園には、夜風が葬式のように吹いていた。一つの黒い人影が、ぼんやりと欄干から....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
の豆まきの豆迄こうして袋に入れて三越で売る様になった」 と弥之助の母などは三越の
屋上庭園に大豆畑でも出来たほどに驚歎して居る。 十六 二月末の或....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
暮春調の時代だ。紺と白との燕や骨牌の女王の手に持った黄色い草花、首の赤い蛍、ああ
屋上庭園の青い薄明、紫の弧燈にまつわる雪のような白い蛾、小網町の鴻の巣で賞美した....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
で、一層驚いて恐がり狭い籠の中でバタバタ暴れていた。 立松は何気なく鳥籠を抱え
屋上庭園へ昇りかけたが急に思い出してそれを杉山に渡し、自分は人目につかないところ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
い馴らすのが上手でした。恰度おそまきの痲疹を患ってそれが癒ったばかりの時でした。
屋上庭園で文鳥を放して遊びたいと云ってききません。 その日は偶然みんな外出して....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
夏の日の午前だった。私は多くの人達のようにエレベーターで七階まで行って、そこから
屋上庭園へのぼって行った。 光線のキラ/\する中につつじが鮮かに咲いて、かたつ....