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屋体
「屋体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屋体の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
先刻も飯田町の、あの早瀬子の居らるる路地を、私通りがかりに覗きますると、何か、魚
屋体のものが、指図をいたして、荷物を片着けおりまする最中。どこへ引越される、と聞....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
をのぞきながら逆行して来た。見えない。―― フフム! 信吉は閉ってる新聞売店の
屋体の前までさり気ない風でブラブラ行って、急に裏へ曲って見た。紙屑があるだけだ。....
「突堤」より 著者:宮本百合子
制して止った。いそいで降りて、ひっくり返った俥の横へ行くと自転車が一台ラムネ屋の
屋体の下に横倒しに放《ほっ》ぽり出されていて、夏羽織姿のおばあさんは俥夫と衝突し....
「九月の或る日」より 著者:宮本百合子
光景は強烈に廃頽的になった。石ころ道の片側にはぎっしり曖昧な食物店などが引歪んだ
屋体を並べている。前は河につづく一面の沼だ。黒い不潔極まる水面から黒い四角な箱み....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
第一場 場所 ヘンリー王の城内の裏手 景 近侍達の住んで居る長
屋体の建物の中央にある広場。 かなり間をおいて石の据置の腰掛が三つあって足の所に....
「対話」より 著者:宮本百合子
の壮麗らしく人工の結晶を積みあげた街をつぶして呉れよう。斯う三叉でくじって、先ず
屋体に罅《ひび》を入らせる。一ふき※《ふいご》で火をかける。――どうだ。美事な、....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
折ってくれても真打にしてくれ手もないこの私。三遊派という腐っても鯛の大きな大きな
屋体骨を背負って立つには、あまりにも自分というものが非力過ぎた、貧弱過ぎた。これ....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
。悟るというはむずかしいもののう。 (二) 浦の苫屋、二重
屋体にて竹縁朽ちたり。正面の上のかたは板羽目にて、上に祭壇を設け、注連を張れり。....