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屋台骨
「屋台骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屋台骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らしく訴えた。「ねえ、おまえさん。備前屋もあんまりじゃありませんか。あんな大きな
屋台骨をしていながら、自分の家《うち》のひとり娘を助けて貰った、云わば命の親の勘....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、先代の主人の好みであろう、床の間や違い棚の造作もなかなか念入りに出来ていた。
屋台骨のしっかりしている家らしいと、半七はひそかに思った。 やがて女あるじとい....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
激に起ったことだった。まさに崩れようとする家は、一本のくさびをはずしても、巨大な
屋台骨が、一度に、バラ/\に崩壊してしまうものだ。喧嘩買いには、袖がちょっと触れ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
なかった。 第十四章 一 馬籠にある青山のような旧家の
屋台骨が揺るぎかけて来たことは、いつのまにか美濃の落合の方まで知れて行った。その....
「縮図」より 著者:徳田秋声
あったが、ともすると弱いものいじめもしかねないことも知っているので、たといどんな
屋台骨でも、人に縋りたくはなかった。ともかく当分自前で稼ぐことにして路次に一軒を....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
乗らなかった。 「まだ海のものとも山のものとも知れねいんだからね。これなら大丈夫
屋台骨が張って行けるという見越しがつかんことにゃ、私ア不安心で、とても嚊など持つ....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
の若返り法などを試みて造化に反抗するとどこかに思わぬ無理ができて、ぽきりと生命の
屋台骨が折れるようなことがありはしないか。どうもそんな気がするのである。 ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ばかりが目に着く。中には、廂先へ高々と燈籠のごとくに釣った、白看板の首を擡げて、
屋台骨は地の上に獣のごとく這ったのさえある。 吉野、高橋、清川、槙葉。寝物語や....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
云うな、今江戸屋の半五郎と云われるのア誰のお蔭だ、父親や母親がこしらえて是だけの
屋台骨が出来たから、江戸屋の半五郎とも云われるのだ、同じ家へ生れたからは己が所帯....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
山町には小間物店の老舗がそろっている。シッカと年来の顧客をにぎって、微動もしない
屋台骨を誇っている。新規開店の川木では、そうおさまってはいられない。彼自身も足を....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ることが全く不可能であった。 山キは喜兵衛の先代が秋田の山奥から出てきて築いた
屋台骨であるが、したがって先代以来、ここの番頭は主として秋田生れの者を使っていた....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
まして、かなり手痛い損失がつづいておりまして一応苦しくなっておりますが、まだまだ
屋台骨はシッカリしておると見ております」 「このお店はいつごろの創業ですか」 「....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
て墓場のようです。その辺に沢山幽霊がいて、私達を見守ってでもいるようです。大きな
屋台骨、暗い間取り、荒れ果てた庭、煤けた階段、陽の目さえ通さないじゃアありません....
「食堂」より 著者:島崎藤村
した。今度の震災は何もかもひっくり返してしまったようなものです――昔からある店の
屋台骨でも――旧い暖簾でも。上のものは下になるし、下のものは上になるし――もう今....
「所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
も一人前の批評家ならば、必ず何等かのシステムを持っている。システムと云えば不動な
屋台骨だろうなどと考えるのは下等な常識で、そんなものは組織力を持たないからシステ....