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屋敷跡
「屋敷跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屋敷跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
が住《すん》で居ました。以前は立派な士族で、桑園《くわばたけ》は則《すなわ》ち其
屋敷跡だそうです。此《この》老人《としより》が僕の仲善《なかよし》でしたが、或日....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
る日城の傍の崖の蔭に立派な井戸があるのを見つけた。 そこは昔の士《さむらい》の
屋敷跡のように思えた。畑とも庭ともつかない地面には、梅の老木があったり南瓜《かぼ....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
《どべい》と、その朽ちた柱と、桑畠に礎だけしか残っていないところもある。荒廃した
屋敷跡の間から、向うの方に小諸町の一部が望まれた。 「浅間が焼けてますよ」 と....
「新生」より 著者:島崎藤村
眺望《ちょうぼう》の好い二階座敷に上って見ると、一段高い石垣の上の位置から以前の
屋敷跡が眼の下に見えた。村の大火は岸本の父の家を桑畠に変えた。母屋も、土蔵も最早....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、種々の雑説が世間に伝えられた。古い大名屋敷には往々そんな怪談が付きまとうので、
屋敷跡の屯所の築山にも古狐か古猫のたぐいが棲んでいないとは限らない。蠣殻町《かき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「回向院前……。回向院前……」と、半七はひとり言のように繰り返した。 吉良の
屋敷跡の松坂町を横に見て、一つ目の橋ぎわへ行き着いて、相生町一丁目のお俊の家をた....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
八百年の月日を過ぎるあいだに、土地にもいろいろの変遷があって、黒太夫の家は単に黒
屋敷跡という名を残すばかりで、とうの昔にほろびました。龍馬の池も山崩れや出水のた....
「家」より 著者:島崎藤村
合にも着物は木綿で通すという主義であった。彼の胸には種々なことがある。故郷の広い
屋敷跡――山――畠――田――林――すべてそういう人手に渡って了ったものは、是非と....
「家」より 著者:島崎藤村
に居た。 三日目に三吉は以前の隣家へ移った。大きな酒屋を営んでいた家で、小泉の
屋敷跡も今ではその所有に成っている。二階の客間は、丁度以前の小泉の奥座敷と同じ向....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
がおさまると、さっきまで見えていた大時計台が、どこへけし飛んだか姿を消していて、
屋敷跡へ目を向けた者の背筋《せすじ》を冷くした。 五少年と七人の村人は、あやう....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
先ず本宅へ伺うのが礼義であるから、そう遠くないお屋敷町の焼跡へでかけた。 誰の
屋敷跡だか、二千坪ぐらいの焼跡をそっくり拝借したものらしい。表側だけコンクリート....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
という有様です。屋敷まで人手に渡ってよその土地へ持ち去られ、加治、蛭川の両富豪の
屋敷跡はどちらもいくつかの土蔵がペンペン草の中に雨風にさらされて名残りを止めてい....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
さ」 「そうばかりもいわれないよ、遺跡がのこっているのだからな」 「おおお縫様の
屋敷跡か」 「そっくりそのまま残っているのさ」 「住人がないとかいったっけね」 ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
クダンのバクハツ中心地から、浦上の天主堂の廃墟へと登りました。天主堂の丘は庄屋の
屋敷跡だそうですね。この庄屋は浦上切支丹の召捕や吟味には先に立って手伝い、踏絵を....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
鷹狩を真似て、芸人風の男女が子供相手の商売をやっているのだった。 そこは大きな
屋敷跡で、庭になっていたところにはまだ樹木がそのまま残っている、松の樹の根方には....