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屋根伝い
「屋根伝い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屋根伝いの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
》い、大小を差して、サア出ようと思ったが、迚《とて》も表からは出られませんから、
屋根伝いにして逃げようと、階子《はしご》を上《あが》って裏手の小窓を開けて見ると....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
屋の男どもが真っ黒に集まっていた。 火消しは長ばしごを持ち出して来て、方々から
屋根伝いに追い迫って来た。次郎左衛門はそれでも二、三人を切りおとして、隣りの屋根....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
《どぶ》の外に待っていた。宵の口の混雑にまぎれて、綾衣は櫺子《れんじ》窓を破って
屋根伝いに抜け出した。外記は用意して来た蓑笠に二人の姿を忍ばせて、女を曳いて日本....
「豚吉とヒョロ子」より 著者:三鳥山人
捕まえて下さいッ」 と叫びました。 「ソレッ、捕まえろ」 と、大勢の見物人も
屋根伝いに逃げる二人のあとから往来の上をドンドン追っかけ初めました。 こうなる....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
加速装置を最高速度に固定したに違いありません。そして給水タンクから貨物ホームへ、
屋根伝いに逃げ去りながら、撥形鶴嘴をパイルとランプ室の間へ投げ捨てて行ったのです....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
おろすひまもなかった。どっと、一斉に障子を蹴倒して、五人の者は、先を争い乍ら、裏
屋根伝いに逃げ走った。 追いかけて、パチパチと、銃の音があがった。 同時に、....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
メリヤスの肌着と股引の上に外套を引掛けた焼出された宿直の一人が、富田の店員が三人
屋根伝いに逃げて来て助けて呉れと云った顛末を語っていた。其傍に同じ焼出されの宿直....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ち焦《こが》るる人はここに来た、けれどもあんまり突飛《とっぴ》です。夜の丑の刻に
屋根伝いにここへ来るとは、お松の眼には、これも夢以上。 「よい所で会った。お松、....
「空気男」より 著者:海野十三
と目を覚した。 雨が降っては、外が歩けないから、清家博士は靴をブラ下げたまま、
屋根伝いに物干台から家の中に入った。 階段を下りてゆこうとすると、下から妻君が....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ねえ、わし一人で――その代り、暫く、誰も、来んように」
富士春は、微笑して
「
屋根伝いに、お嬢さんが――」
「まあず、その辺」
富士春は、手を延して、益満を....
「魔都」より 著者:久生十蘭
イヤモンドって、なんの事ですの」
「おい、すッ恍けても駄目だ。……今朝がた山木が
屋根伝いに「すず本」を抜け出し、ハッチソンのロード・スターで有明荘へ駆けつけ、鶴....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
ないかな」 「それじゃ僕を二人がかりで殺そうとしたんだ。一人は門から入り、一人は
屋根伝いに窓から入って――」 立松は驚いて、 「二人だって?」 赤星は溜息を....