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「屋根裏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屋根裏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
にまっ赤になった顔だけ露《あら》わしている、それも瞬《またた》き一つせずにじっと屋根裏の電燈を眺めていたと言うのですから、無気味《ぶきみ》だったのに違いありませ....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
思うのは考えて見るのも厭だ。 手伝いの人々がいつのまにか来て下に働いておった。屋根裏から顔を出して先生と呼ぶのは、水害以来毎日手伝いに来てくれる友人であった。 (明治四十三年十一月)....
間諜座事件」より 著者:海野十三
甲乙とも相手のベルが喧しく鳴っていた。 甲の方の電話は、一町半ほど先の洋食屋の屋根裏へ繋っていた。 「オイ、どうだ」と向うから声がした。 「もう直ぐ出て来るか....
薬草取」より 著者:泉鏡花
黙っていた。その返事を聞く手段であったと見えて、私は二晩、土間の上へ、可恐い高い屋根裏に釣った、駕籠の中へ入れて釣されたんです。紙に乗せて、握飯を突込んでくれた....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
へちゃんと乗っかりました。もう堆い、鼠の塚か、と思う煤のかたまりも見えれば、遥に屋根裏へ組上げた、柱の形も見える。 可訝いな、屋根裏が見えるくらいじゃ、天井の....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
る価擲ちけむ、世には賤しき業も多けれど、誰か十字架に懸らむとする。 向うづけに屋根裏高き磔柱に縛められて、乳の下|発きて衆の前に、槍をもて貫かるるを。これに甘....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ぎしたような射的店がある。達磨落し、バットの狙撃はつい通りだが、二軒とも、揃って屋根裏に釣った幽霊がある。弾丸が当ると、ガタリざらざらと蛇腹に伸びて、天井から倒....
歯車」より 著者:芥川竜之介
徴だった)僕は地下室を抜けて往来へ出、或老人を尋ねることにした。彼は或聖書会社の屋根裏にたった一人小使いをしながら、祈祷や読書に精進していた。僕等は火鉢に手をか....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
われました。いばって次の聖堂にはいる資格が、できたように感じました。それは貧しい屋根裏のへやのかたちであらわれて、なかには病人のおかあさんがねていました。けれど....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
めに苦しみを受け、災難を蒙り、滅亡したかしれん」 Nは二つの眼を※《みは》って屋根裏の梁を眺め、しばらく思いめぐらしてなお説き続けた。 「まさか髪の毛の苦しみ....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
た。 「幸福な家庭」 だが、彼の筆はたちどころに渋った。彼は仰向になって両眼を屋根裏に※りながら、「幸福の家庭」の置場を考えてみた。「北京は? 駄目だ。全く沈....
親ごころ」より 著者:秋田滋
いつしか深い友情を生むようになった。とうとう、彼等はある大きなアパートの、それも屋根裏のむさくるしい部屋で、三人で暮すようになった。その家はもう巴里も場末の、そ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
洋燈の炎尖が下伏になって、ちらりと蒼く消えようとする。 はっと袖で囲ってお縫は屋根裏を仰ぐと、引窓が開いていたので、煤で真黒な壁へ二条引いた白い縄を、ぐいと手....
三枚続」より 著者:泉鏡花
る面々は、鳴声があとを引いて、前町裏町すべて界隈の路地の奥、土蔵の隅、井戸の底、屋根裏、階子の下、三階、額の裏、敷居、鴨居の中までも遠く響いて押拡がって行くに連....
可愛い山」より 著者:石川欣一
な雨であった。とても出られない。一日中、傾斜した岩の下で、小さくなっていた。雨が屋根裏――即ちこの岩――を伝って、ポタポタ落ちて来る。気持が悪くて仕方がない。色....