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「屍肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屍肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
その苦痛にゆがんだ無理な微笑に気がつくと、はッと手をひいた。酔がさめて、女の白い屍肉が、一箇の崇厳な人間の姿になった。 女は眼をひらくと、不審な眼付で俺をみつ....
白くれない」より 著者:夢野久作
りに茂り広ごりたるが、去年の春見しが如き、血の色せる深紅の花は一枝も咲き居らず。屍肉の如く青白き花のみ今を盛りと咲き揃ひ居りしこそ不思議なりしか。 此時のわが....
アワァビット」より 著者:宮本百合子
らくこれも飢から――斃死《へいし》した駄馬の周囲に蒼蠅のように群がって、我勝ちに屍肉を奪い合っている写真を見たら、恐らく一目で、反感の鬼や独善的な冷淡さは、影を....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
けて、鍔と拳で止まったのである。 それは凄まじい働きだったが、城太郎の脇差は、屍肉から抜けなくなってしまった。彼があわてている間隙に、もう一名の郷士が、跳びつ....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
う」 いよいよ困った顔をして、お芳は、自分の足を見ながら歩いていた。 「墓場の屍肉から、燐ぐらいのものはとれるか知らないか、赤光を出す薬液などがとれるものか。....
墓場」より 著者:西尾正
怒ったように答えた。 「顔が人間で、体が蛇で、脚がけだもので常住くらやみに住み、屍肉をくらう。……」 僕はそんな魔物を想像してみたが、じいっと油壺のドロリとし....