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「屍臭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屍臭の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊と推進機」より 著者:夢野久作
にブチ撒かれた。するとどうした都合か、その猛悪な刺戟性の臭いが、アノ忘れられない屍臭と、嘔吐臭を誘いながら、食堂の中一パイにセリ上って来たので、綱にブラ下りなが....
戦場」より 著者:夢野久作
たものと考えられる。 青褪めた月の光りと、屍体の山と、たまらない石油の異臭……屍臭……。 もうスッカリ麻痺していた私の神経は、そんな物凄い光景を見ても、何と....
書けない探偵小説」より 著者:夢野久作
顔が、ハッキリと網膜に焼付いたまま遠ざかる。アトからガソリンの臭いと、たまらない屍臭とがゴッチャになってムウとするほど鼻を撲つ。 ……ハテナ……今のは、お化粧....
姥捨」より 著者:太宰治
、しっかりやって呉れ、という言葉は、これは間違いかも知れないね。一命すてて創った屍臭ふんぷんのごちそうは、犬も食うまい。与えられた人こそ、いいめいわくかもわから....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
でも、古都は明るいものではなかった。賀茂の河原は疫病で死んだ人の屍体でうずまり、屍臭フンプンとして人の通る姿もなく、烏の群だけが我がもの顔に舞いくるっていたもの....
小説 円朝」より 著者:正岡容
ぱいに皆の胸がしめつけられてきた。それには薄暗いこの部屋の鼻をつく絵の具の匂いが屍臭をおもわせて不吉だった。 「……」 圓太郎夫婦の、玄正の、期せずして六つの....
私本太平記」より 著者:吉川英治
に沿って、二人はだいぶ歩いた。いつか夜の海だった。この日頃こびりついていた焦土の屍臭も、やっと心から洗われたここちがする。 「もどろうか」 和氏が言いだしたと....
私本太平記」より 著者:吉川英治
かった。そしていつか、天地の荒涼は、血の秋だった。 殺し合いは日課だった。鼻は屍臭に馴れ、血に飽いた人間は、さらに、次の物をギラギラした眼で捜しあう。 掠奪....