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屍骸
「屍骸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屍骸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
の光の中に、内陣を囲んだフレスコの壁には、サン・ミグエルが地獄の悪魔と、モオゼの
屍骸《しがい》を争っていた。が、勇ましい大天使は勿論、吼《たけ》り立った悪魔さえ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
望的な静かさをのしかからせたばかりだった。
お蓮はそこへ坐ったなり、茫然と犬の
屍骸《しがい》を眺めた。それから懶《ものう》い眼を挙げて、寒い鏡の面《おもて》を....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
んとうにあなたがたは日本国中至るところに、あなたがたの餌食《えじき》になった男の
屍骸《しがい》をまき散らしています。わたしはまず何よりも先へ、あなたがたの爪にか....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
い若者は、ぼんやり手を束《つか》ねたまま、陽炎《かげろう》の中に倒れている相手の
屍骸《しがい》を見下した。それから苦しそうな視線を挙げて、無言の答を求めるように....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、何か切れ切れに叫びながら、鉄条網《てつじょうもう》の中を走って来た。彼は戦友の
屍骸《しがい》を見ると、その胸に片足かけるが早いか、突然大声に笑い出した。大声に....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
うのです。「君も知っているだろう。ついこの間魚政の女隠居が身投げをした。――あの
屍骸《しがい》がどうしても上らなかったんだが、お島婆さんにお札《ふだ》を貰って、....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
ったい何であったのだろう?―― 女湯の白いタイル張りの床の上に、年の若い婦人の
屍骸が俯伏に倒れていたのだ。いや、それよりも何よりも、一目見た程の人々の心に、最....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
いが、親分! それを本気でお言いなさるんなら黙っちゃいませんぜ。べら棒め、姐御の
屍骸が何を喋っているか知ってるなア、一人ばかりじゃねえ!」 「何んだと? てめえ....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
いっちゃ罰が当るよ」と壮平老人が云った。「政どんが来てくれなくちゃ、お互に今頃は
屍骸になって転がっていたかも知れない」 「でも……」 「ところが
屍骸にならないば....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
にも、微塵に轢き砕かれて辺りの砂利の上へ飛び散っていた。 やがて「トントン」の
屍骸をとりあえず線路の脇へとり退けると、主任と博士は早速簡単な検屍をはじめた。が....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
は彼の席から手を伸ばせば十分に届くところだった。 部屋の隅っこには、さっき鼠の
屍骸を持って出て警官へ何かを頼んでいた帆村荘六が最早戻って来て、ゆっくりと煙草を....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
かったわ。お婆さんは遠藤さんが――あなたが殺してしまったの?」 遠藤は婆さんの
屍骸から、妙子の顔へ眼をやりました。今夜の計略が失敗したことが、――しかしその為....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
。や、今夜拙老の隠宅へ来なさい、何事も残らず打明けて語り聴かそう。それよりもこの
屍骸じゃ。人目に触れぬ間に、埋め隠くさねば相成らぬ。林の中には薬草の根元まで掘下....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
せんぜ」 「当前さ、帆で屋根が張ってあるから大丈夫だ」 「おやおや、帆屋根の下に
屍骸がある。若殿が殺されていますぜ」 「なに、寝ていらッしゃるんだろう」 六浦....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
醜い顔を、彼はしっかりと胸に抱きしめていたのでした。はッと身慄いして、男は夢中で
屍骸を足の下の谷底へ投げ込みました。 千手観音に供えてあった赤い頭巾、巾着、よ....