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「屑屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屑屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
年の常識からはちょっと考えられぬところだが、当時は、大学出の青年が生活に困って紙屑屋を開業したと、新聞に写真入りの、いわば失業時代だった。たとえば、ある日、 「....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
日まえ、あいつが御成道《おなりみち》の横町を通ると、どこかの古道具屋らしい奴と紙屑屋とが往来で立ち話をしている。なに心なく見かえると、その古道具屋が何だか古い掛....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には細長い竹の紙屑籠が掛けてあった。 「おい。この紙屑はこのごろ売ったかえ」 「屑屋さんは先月の晦日《みそか》に来て、それぎり参りません」と、お由は答えた。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い七月の夜に二つの新らしい仏を守っていた。 その通夜の席で、一軒置いた隣りの紙屑屋の女房がこんなことを云い出した。この女房は四、五日まえに七つになる男の児を亡....
第四次元の男」より 著者:海野十三
が、その木下藤吉郎は後に豊太閤となった。だが、わしは今、この天眼鏡と人相秘書とを屑屋に売り払おうと思う」 「おい、脅かしっこなしだ。なに事だね、一体それは……」....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
で下さるか、という両国辺の運送問屋から来たのでした。 品物といえば釘の折でも、屑屋へ売るのに欲い処。……返事を出す端書が買えないんですから、配達をさせるなぞは....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
のぼせた顔して、取廻わした、小さな見物、わやわやとまた一動揺。 中に、目の鋭い屑屋が一人、箸と籠を両方に下げて、挟んで食えそうな首は無しか、とじろじろと睨廻わ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
九 子爵千破矢滝太郎は、今年が十九で、十一の時まで浅草|俵町の質屋の赤煉瓦と、屑屋の横窓との間の狭い路地を入った突当りの貧乏長家に育って、納豆を食い、水を飲み....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
消していました。井戸水を貰っていた百姓家の人に訊いても、秋山さんが出入りしていた屑屋に訊いても判らない。 空には軽気球がうかんでいて、百貨店の大売出しの広告文....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
、これだけはまず残して置いた。勿論、売るといったところで買い手もなく、さりとて紙屑屋へ売るのも何だか惜しいような気がするので、保存するという意味でもなしに自然保....
あのころ」より 著者:上村松園
われたので、老夫婦は息子をつれて東京へ行ってしまいましたが、その時たくさんの本を屑屋へ払い下げて行ったそうですが、あとでそのことをきいて、 「あれをたくさん買っ....
錦紗」より 著者:犬田卯
、母親が丹精している鶏の卵を半数だけ貰うことにきめてその餌を調達したり、朝鮮人の屑屋に親の代から押入の奥に突っ込まれていたような種々の廃品を引っ張り出して一銭を....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ここあお嬢さんの内じゃねえかね。」 「いいえさ、こちらへおいでなさらない前にさ、屑屋をしていらっした時の事ですよ。」 「屑屋? 誰が、こう情ねえ、人間さがりたく....
雪柳」より 著者:泉鏡花
合があって、私と二人で自炊をして、古襦袢、ぼろまでを脱ぎ、木綿の帯を半分に裂いて屑屋に売って、ぽんぽち米を一升炊きした、その時分はそれほど懇意だったのですが。―....
」より 著者:織田作之助
/\廃球は電灯会社でも処分に困り、甚しいのは、地を掘って埋めたりしていたのを、紙屑屋であった安二郎の兄の守蔵が眼をつけた。最初、分解して口金とガラスだけをとって....