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「屑物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屑物の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
いと言われて返事を書く。一、長篇のこと。云われるまでもなく早まった気がして居る。屑物屋《くずものや》へはらうつもりで承知してしまったのだが、これはしばらく取消し....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
命がけの仕事だ。これこそ本当の軽業の綱渡りだった。古い錆のついた小銃弾を、ほかの屑物と一緒に買い取った屑屋が、何気なくそれをいじっていて、そこを巡警に見咎められ....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
を傾けながら歩きはじめようとした。その時彼は芥溜の方へ向って、左手にあたる一軒の屑物屋を見つけた。蒼白い顔の小娘が障子の穴から戸外を覗《のぞ》いていた。彼は彼女....
東京へ近づく一時間」より 著者:宮本百合子
。コールターで無様に塗ったトタン屋根の工場、工場、工場とあると思うと、一種異様な屑物が山積した空地。水たまり。煤をかぶった狭い不規則な地面の片端を利用した野菜畑....
話の屑籠」より 著者:豊島与志雄
覚え書、ぼろぼろの小袖の断片……要するに、全然屑籠の内容にすぎない。 そういう屑物を、一体、誰が、何時、葛籠のなかなどに保存するようなことをしたのか。何かのも....
乾杯」より 著者:豊島与志雄
板をそっくり転売してしまっても、職工たちに仕事が不足するわけではあるまい。真鍮の屑物が多量あるから、それを加工すればよかろう。また、たとい鋼板を扱って、各種の器....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
鳴らした八丁堀合点長屋の御用聞釘抜藤吉の乾児葬式彦兵衛は、ただこうやって日永一日屑物を買ったり拾ったりしてお江戸の街をほっつき廻るのが癖だった。どたんばたんの捕....
鍋料理の話」より 著者:北大路魯山人
にもなかなか工夫がいるのである。この点を注意しないで、ぞんざいに扱うと、いかにも屑物の寄せ集めみたいになってしまう。 関東の風習は、薄く平らに並べるようである....