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「屠る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屠るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
首を失った蜻蛉」より 著者:佐左木俊郎
が厭だった。生活のためにはどんな事でもする覚悟でいたのだが、自分が食うために豚を屠るのは……その藻掻《もが》き苦しむ酷な有様を自分の手によって醸《かも》し、それ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ではない! 助かろうとて助かりっこはない! 生け捕られたら嬲り殺しだ。……相手を屠るということは、俺の体に纏わっている、呪詛を取去くということになる。相手に屠ら....
「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
賢者は鶏の雛をだして、答え返した。「我国の兵士は、一人で以て貴国の兵士の百千を屠るであろう。」 そこで使者は、かかる問答の出来る賢者がいるような国を征むるは....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
ない。よって貴殿にお話し致す。――貴人横奪、槐門周章。丙より壬、一所集合、牙城を屠る。急々如律令。――つまりこういう意味でござった。甲斐守殿へお伝えくだされ」 ....
三国志」より 著者:吉川英治
へ向かえば、将軍も転じて、彼の後方を脅かし、かくして、掎角の陣形に敵を挟み、彼を屠るの計であります」 「ムム、なるほど、良計良計。孫子も裸足だろう」 呂布は、....
三国志」より 著者:吉川英治
をたてて罵った。 すでに彼の大軍は彼の命を奉じて、新野、白河、樊城など、一挙に屠るべく大行動に移ろうとした時である。帷幕にあった劉曄が切にいさめた。 「丞相の....
三国志」より 著者:吉川英治
い百万、二百万、挙げて西蜀に攻め来ろうとも、蜀の天嶮、蜀兵の勇、これをことごとく屠るに、なんの手間暇が要りましょうや。丞相もし蜀の山川風光の美もまだ見給わずば、....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
ことを連想して、いかにもいやな感じを起させる様ではあるが、昔は実際上死牛馬以外に屠るべき牛馬はなかったのである。そしてその皮を剥ぐ彼ら下級労働者が、祖先以来の肉....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
う事になりました。仁明天皇の頃に、京都の鴨川の上流で鹿を狩るものがあって、これを屠る血が流れて、賀茂の神社に穢れが及ぶからということで、これを禁じたというような....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
自郷をなして土着者と相雑はらず。故に其の種落を謂つて余戸となす。大抵外国人獣肉を屠るに慣る。故に屠を以て業と為す。後世仏教の盛に行はるゝや、人獣肉を食ふを忌み、....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
ず証拠立てられる以上(別項「上代肉食考」参照)、また神を祭る「祝」の名が、動物を屠るホフリ、すなわち屠者と起原を一つにすべく考えられる以上(別項「屠者考」参照)....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
鷹や犬の餌すなわち食料には、通例死牛馬の肉を用いる。したがって餌取は平素死牛馬を屠るの屠者で、職業上常に獣肉を扱い、これが為に一般世間が肉食を忌み、特に牛馬の肉....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
孫が、残忍性遺伝の問題によって、縁組から嫌われたことがありましたでしょうか。獣を屠ることの代りに、人間の子をおろしたり圧殺したりして平気でいたものと、獣はこれを....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
獣を屠って、これをお祭り致します。古く神官はハフリと申したのは、この神への犠牲を屠ることを主なる職としたためかとまで考えられるのであります。この意味から申せば、....