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「屠腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屠腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乱世」より 著者:菊池寛
は、東下論者と下士たちの板挟みになって、下士たちの鎮撫不能の責任を負うて、城中で屠腹してしまった。それは十二日の午前であった。 二人の死を、転機としたように―....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
は、「嗟、我事終れり」と嘆じて、弟正時と相刺し違えて死んだ。相従う十三余士、皆|屠腹して殉じた。 正行戦死の報が京都に達すると、北朝では歓呼万歳を唱えて喜んだ....
死生」より 著者:幸徳秋水
めに幸福なりし歟、是れ問題である、兎に角、彼等は一死を分として満足・幸福に感じて屠腹した、其満足・幸福の点に於ては、七十余歳の吉田忠左衛門も十六歳の大石主税も同....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
死したと言う説、外国奉行であり乍ら実際は攘夷論者であったがゆえに、任を負いかねて屠腹したと言う説、それらのいろいろの憶説の中にあって、最も広く流布されたものは、....
稲生播磨守」より 著者:林不忘
長く、仲よく添い遂げい。 郁之進 (狂乱して)殿! お気を確かに――私はこの場に屠腹《とふく》して、お詫びつかまつります。 播磨 ええいっ、馬鹿め! わからぬか....
石狩川」より 著者:本庄陸男
者によってなされた仕事が、もしも拙《まず》く行ったならば、取りも直さずそのものが屠腹《とふく》して詫《わ》びねばならぬとする道徳でもって。その際方針が間違ってい....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
届きとして罪に坐さなければならないだろう。 葉之助へ一封の遺書を残し、弓之進が屠腹して果てたのはその夜の明方のことであった。 六 弓之進の....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
であったか。これは問題である。とにかく、彼らは、一死を分として満足・幸福に感じて屠腹した。その満足・幸福の点においては、七十余歳の吉田忠左衛門も、十六歳の大石|....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
少なくも毛筆で描かれた物ではなかった。もし空想を許されるなら、何者か紙帳の中で屠腹し、腸を掴み出し、投げ付けたのが紙帳へ中り、それが蜒り、それが飛び、瞬時にし....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
に語り合いたることあり、なお洩れたる事柄も多かるべし、ただ遺憾なるは彼の脇屋某が屠腹を命ぜられたる事を聞き、かかる暴政の下に在ては何時いかなる嫌疑をうけて首を斬....
私本太平記」より 著者:吉川英治
て、家統も危きを見、わづかに家名の絶えを支へんため、ここに一切を闇に附し、一身を屠腹して、子孫に詫ぶ。 そもそも是、家時が宿命なるか。 すでに、家の遠祖の人....