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屡々
「屡々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
屡々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
、自分らしく歩くことによってのみ、多少なりとも成長し得る事を感じている。従って、
屡々《しばしば》自分の頂戴《ちょうだい》する新理智派《しんりちは》と云い、新技巧....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
の剃頭店《ていとうてん》主人、何小二《かしょうじ》なる者は、日清戦争に出征して、
屡々《しばしば》勲功を顕《あらわ》したる勇士なれど、凱旋《がいせん》後とかく素行....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
安に襲われはじめました。それは前に掲げました実例通り、ドッペルゲンゲルの出現は、
屡々《しばしば》当事者の死を予告するからでございます。しかし、その不安の中《なか....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
正が、セント・アルバンスを訪れた時に、通訳の騎士《ナイト》が大僧正はアルメニアで
屡々《しばしば》「さまよえる猶太人」と食卓を共にした事があると云ったそうである。....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
を自分は他に用うべきではなかったのか。
私は自分の心の乱れからお前たちの母上を
屡々《しばしば》泣かせたり淋しがらせたりした。またお前たちを没義道《もぎどう》に....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
方向へ外《そ》れていて、社会から自分一人が取り残されたのではないかという脅えさえ
屡々《しばしば》起った。 金儲けということについても疑問が起った。この頃のよう....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
初めの一高の生徒時代だったという。私はその時分のことは知らないが大学時代の主人が
屡々《しばしば》そこへ行くことは確《たしか》に見ていたし、一度などは私も一緒に連....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
めに、急に『不安』が入道雲のように発達して、正体まで顕してしまうのですね。これは
屡々河口警部のお使いになる手で、私のは機を覘ってうまく逆手に用いて成功させたので....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
らざるを思うと、恁んなものでも灰となって了ったを亦頗る惜まざるを得ない。 余は
屡々人に話した。倫敦タイムズ社が売った数千部のブリタニカやセンチュリー大辞典はツ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
あるが、中には拱手して忽ち意外なる市街地の大地主となったものもある。都会の成金は
屡々嘲弄嫉妬の目標となったが、市外の成金は誰にも気が付かれない中に労働者から大紳....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
衆に過去の世紀の貴族的社会の芸術や思想を強いる事は出来ない。 紳士閥の批評家は
屡々云う。民衆は自分の階級よりも上の階級のものを主人公とした小説や脚本でなければ....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
の交遊であった。 アイリスが嘗て嫌って居たワルトンが、近頃ではアイリスの話題に
屡々のぼった。時にはアイリスがワルトンを誘って二人の間に入れることさえあった。眼....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
いえどもこれを知らざるはずはない。畢竟するに馬琴が頻りに『水滸』の聖嘆評を難詰|
屡々するは『水滸』を借りて自ら弁明するのではあるまいか。 だが、この両管領との....
「影」より 著者:岡本綺堂
時々に虫の居所の悪いことがあって、主人とも衝突いたします。電車だって自動車だって
屡々衝突する世の中に、芸妓が主人と衝突するのも不思議はないでしょう。ねえ、あんた....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
自然の感化は山国生活の最も尊重すべき事の一つである。 で、私は好晴の日を見ては
屡々山岳の茸を訪問する。敢て訪問するというのは、毒茸が多くて食すべき大獲物に接し....