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「層面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

層面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
まん》の芸術云々という個所があった。評者は君の芸術が、それを失《な》くした時、一層面白い云々、と述べていた。ぼくは、この意見に反対だ。ぼくには、太宰治が泣き虫に....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
菊、そちは泣いているな」 図星をさされてか、はッとして、慌《あわ》てながら一層面をそむけましたが、途端にほろほろと大きな雫《しずく》が、その丸まっちく肉の熟....
惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
二千年ぐらい前には青ぞらいっぱいの無色な孔雀がいたとおもい、あるいは白堊紀砂岩の層面に、透明な人類の巨大な足跡が、まったく発見されるかも知れないのだ。 楢と※....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
てのひら》の中の十円の金貨を引ったくって、よろよろとよろめいて行った。 姫は大層面白い話だとは思ったが、何しろあんまり短くて張り合いがなかった。だから今度はな....
思い出の記」より 著者:小泉節子
山は要らないから、赴任したようでした。 伯耆の下市に泊って、その夜盆踊を見て大層面白かったと云いますから、米子から船で中海を通り松江の大橋の河岸につきましたの....
戯曲を書く私の心持」より 著者:豊島与志雄
んまり繊かくって面倒すぎる、と云われたこともあったんですが、書く方の僕自身は猶一層面倒くさかった。作中人物の心理や気持をこまかくほじくって書いて行くのがだんだん....
アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
みは、他の急所の痛みが消えたために一層鋭く感ぜられて来た。しかしこの方の手術は一層面倒なものであった。第一に手術に使った在来の道具はもう役に立たなかった。吾等の....
次郎物語」より 著者:下村湖人
が、それを出来るだけ大げさな問題にして、次郎がいよいよしょげるのを見るのはなお一層面白いことだ。ストライキはどうせ早かれおそかれ放っておいても始まることだし、何....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
「そうでもあるまい。もとでいらずだからな」 「が、その代り命掛けで」 「だから一層面白いではないか」 「これはご挨拶でございますな。相変らずの観世様で」 「とこ....
おみな」より 著者:坂口安吾
目覚めていたが、睡ったふりをしていた。こういうお別れの無意味な相手をすることは一層面倒であったからだ。子供は私にさよならの言えないことが苦痛の様子で出発をためら....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
に虫が好かぬのであった。 お綾が顔色を変えて逃げ出すのを見て、ダラダラ大坊は一層面白がって。 「わしの嫁になりんさい。それがイヤなら蝦蟇のイボイボを嘗めんさい....
「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
ぱり、あの作品は私にとって面白いものである。もっとも、推理に矛盾が無ければなお一層面白いにちがいないけれども、多くの読者はその矛盾に気づかずに読んでしまうから、....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
かな。それじゃこういうのはどうぞな。……運命や黒き手を出し足を出し……その方が一層面白かあないかな。ははははは。」 それは古白君は今の抱月、宙外諸君と共に早稲....
五重塔」より 著者:幸田露伴
い、噛みしめて見よ味のある話しではないか、どうじゃ汝たちにも面白いか、老僧には大層面白いが、と軽く云われて深く浸む、譬喩方便も御胸の中にもたるる真実から。源太十....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は黒く、中部はやや褐色に幾段もの脈がついて、上部は黄や青の苔の、そのツンドラの断層面がそのままそっくりその中に飾られてあった。 「なんですよ。そのツンドラ地帯に....