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「履物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

履物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
しい勢いで左へまがった。 「まあ私は御免をこうむろう。――杉、杉、和泉屋さんのお履物《はきもの》を直して置いたか。」 九 和泉屋市兵衛を逐《お》....
或る女」より 著者:有島武郎
てあったが、流行を作ろう、少なくとも流行に遅れまいというはなやかな心を誇るらしい履物《はきもの》といっては一つも見当たらなかった。自分の草履《ぞうり》を始末しな....
星座」より 著者:有島武郎
じゃ貴様頼むぞ」 と言い残して、留守番の台所口に乱雑に脱ぎ捨ててある教師たちの履物《はきもの》の中から、自分の分を真暗らな中で手さぐりに捜しあてて、戸外に出た....
深夜の市長」より 著者:海野十三
た。女中たちは不意を喰って玄関へ飛んで出た。動坂三郎を先頭に総監、市長、僕の順で履物を履いた。そして女達の艶かしい声に送られて、植込みの傍を通って表へ出ようとし....
振動魔」より 著者:海野十三
村町にある彼の柿丘邸に足を向けたのだった。 玄関をガラリと開けると、僕はいつも履物を見る習慣があった。並んでいる履物の種類によって、在宅中の顔触れも知れ、その....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
おいでになったような方で歩き方も、いま時の御婦人には珍しい純粋な内股で、いつもお履物が、すぐに内側が擦り減ってかなわない、とおっしゃっておいでになったのを、思い....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
をのみ、しげしげと房枝の顔を穴のあくほどみつめるのであった。 「ああ、奥さま。お履物が、あんなところに」 そのとき、房枝は、夫人の皮草履の片っ方が水たまりのそ....
四次元漂流」より 著者:海野十三
さんはお家からでていったように思われないんですって、お家には、雪子さんの靴を始め履物全部がちゃんとしているの。だのに、家中どこを探しても雪子さんの姿が見えないの....
東京要塞」より 著者:海野十三
にブラッシュをかけるという始末です。外へ出ると、服はすっかり着がえさせられます。履物やマットまで変るのです。恐らく厳重を極めていますよ」 「ふーむ、莫迦に細心に....
女客」より 著者:泉鏡花
歩行くしだらだけれど、さて出ようとすると、気になるから、上り框へ腰をかけて、片足履物をぶら下げながら、母さん、お米は? ッて聞くんです。」 「お米は? ッてね、....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
煙管を棄て、湯呑に煎茶をうつしけるが、余り沸れるままその冷むるを待てり。 時に履物の音高く家に入来るものあるにぞ、お貞は少し慌だしく、急に其方を見向ける時、表....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に無くてはならないのが被衣……私は生前の好みで、白の被衣をつけることにしました。履物は厚い草履でございます。 お爺さんは私の姿を見て、にこにこしながら『なかな....
或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
もあればあるもの、黙って外から人を手招きして。まさか昼日中、盗賊じゃあるまい。(履物を穿いて近づく)。もし、そこのお方、どなたでございます。どなたでございます」....
」より 著者:岡本かの子
に無力に浮いた。京子は一たん飛躍を見合せ、思い返して障子窓を開け放したまま玄関へ履物を取りに行った。京子は黒塗りの駒下駄を持って座敷へ引き返して来た。そして畳の....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
を透すと緋の天鵝絨の緒の、小町下駄を揃えて脱いであるのに屹と目を着け、 「御覧、履物があるじゃあないか、何を慌ててるんだね。」 弥吉は後について首を突込み、 ....