山の尾[語句情報] »
山の尾
「山の尾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山の尾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
和七年三月二十、二十一日の連休を利用して、但馬と因幡の国境につらなる氷ノ山―扇ノ
山の尾根を縦走中、吹雪のためにあやうく凍死せんとしたときのことであった。 氷ノ....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
よ山を下ることに決めて宮地を指して下りた。下りは登りよりかずっと勾配が緩やかで、
山の尾や谷間の枯れ草の間を蛇のようにうねっている路をたどって急ぐと、村に近づくに....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
に行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは
山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。 東....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
て半蔵らはさくさく音のする雪の道を踏みながら、塩淵というところまで歩いた。そこは
山の尾をめぐる一つの谷の入り口で、西から来るものはその崖になった坂の道から、初め....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、それからそれへ、山また山、次第に峰が重なって、段々|雲霧が深くなります。処々、
山の尾が樹の根のように集って、広々とした青田を抱えた処もあり、炭焼小屋を包んだ処....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、かなりな傾斜を、スーイ、スーイとのして行く。 朝など、早く起きると、東の低い
山の尾根が、最初に白んで、光線が山の頭をうっすりと撫でたかとおもうと、対岸の川楊....
「死者の書」より 著者:折口信夫
い明るさ。山の空は、唯白々として、照り出されて居た。肌 肩 脇 胸 豊かな姿が、
山の尾上の松原の上に現れた。併し、俤に見つづけた其顔ばかりは、ほの暗かった。 今....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
は海の方へ廻って、背後から赫と当るが、ここからは早や冷い水へ入るよう。 三方、
山の尾が迫った、一方は大なる楓の梢へ、青田の波が越すばかり。それから青芒の線を延....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
た。僕もすぐその後に続いた。あだかも従卒のように。 爪先あがりの小径を斜めに、
山の尾を横ぎって登ると、登りつめたところがつの字浦の方から来るはずになっていた猟....
「霊気」より 著者:豊島与志雄
千八百尺余の高地にあって、日本アルプスの支脈に懐かれている。早朝に温泉を発して、
山の尾根伝いに、見上ぐるばかりの急坂を、よじ登りよじ登り、三時間余にして、燕岳の....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
漁師が喜んでいるほど鮎が多い。鬼柳の堰に、メスのように光る若鮎が躍っている。足柄
山の尾根をきった空に、富士の白い頂が釣り人を覗いているではないか。 伊豆の東海....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
の名|宮の越である。 真偽のほどは知らないが、おなじ城下を東へ寄った隣国へ越る
山の尾根の談義所村というのに、富樫があとを追って、つくり山伏の一行に杯を勧めた時....
「古事記」より 著者:太安万侶
。大勢の神がその兎に言いましたには、「お前はこの海水を浴びて風の吹くのに當つて高
山の尾上《おのえ》に寢ているとよい」と言いました。それでこの兎が大勢の神の教えた....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
先ず其姿を隠して、白味を帯びた瑠璃色の空に薔薇色の光がにじむように拡がるのを仙人
山の尾根越しに眺めた時には、昨日劒岳の頂上に登って二年越しの宿望を充たした平静な....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
上ると尾根の上に出た。南東に鹿島槍ヶ岳、牛首山、岩小屋沢岳などが見え、南には仙人
山の尾根が間近く聳え立ち、北には餓鬼奥鐘の連嶺の上に猫又山の雪が眩い光を放ってい....