山の辺[語句情報] » 山の辺

「山の辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山の辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は人の目につく虞《おそ》れがあるので、時々に場所を変えることにして、この頃は道灌山の辺に隠してあるから、いずれ持ち帰ってお前に戻すと誓ったので、お千も一旦は得心....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
く叡山に上り、慈覚大師に就いて顕密の二教を学びてその秘奥《ひあう》を極む、又、花山の辺昭に就いて胎蔵法を受く、博《ひろ》く経論に渉猟《せふれふ》し、百家に馳聘《....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
寺ゆきなどは断念しました。そうして十時ごろやっとホテルを出て、きょうはさしあたり山の辺の道ぐらいということにしてしまいました。三輪山の麓《ふもと》をすこし歩きま....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ろうかと拝察せられる。 一首の意は、春が過ぎて、もう夏が来たと見える。天の香具山の辺には今日は一ぱい白い衣を干している、というのである。 「らし」というのは、....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
なるが、この中ビッグ・ベン線は延長四分の一|哩に過ぎず、軌条は発掘されたる石炭の山の辺にて尽き、途中に何ものをも見ず。次にカーンストック鉄工場引込線は、六月三日....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
ている丹生川平は、この夜もほとんど闇であった。 神殿が設けられているという、岩山の辺りはわけても暗く、人が歩いていたところで、全然姿はわかりそうもなかった。 ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
本殿であり御神体なのである。山上や中腹に巨石がルイルイとあるそうだ。 三輪から山の辺に沿うて盆地を北上すると天理教の丹波市から奈良へと平野がつづいている。南に....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
いている。 ウラニウム爆弾だの、死の灰だの、血なまぐさい話をしたあとでは、この山の辺《へ》の静けさがなにかありがたくて、サト子は涙を落すところだった。....
香熊」より 著者:佐藤垢石
八千尺の白根火山が聳え、西に吾妻山、南に鳥居峠を挟んで浅間山が蟠踞している山また山の辺境だ。 さらに、その奥の渓に干俣という部落がある。ここに、親子の熊捕りの....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
名を明記していないから、勿論臆断ではあるが八海山図幅の無名の 1592 か、丹後山の辺へでも登ったものらしい、さすれば陸地測量部と大林区の役人を除いては、自分が....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ように、萱の波を躍って追う。 裂けたる鬼女の口に似ている夕月が、ちょうど鳥部ノ山の辺りに見える。折から生憎、陽も落ちかけて、この辺りは人も通らない。もっとも、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
りなく固めているゆえ、おおかた、今にどこからかここへ捕えてまいるであろう」 築山の辺からお船蔵境の木立――または大殿の屋根から床下に至るまで、弦之丞を尋ねる武....