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山仕事
「山仕事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山仕事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「緑の芽」より 著者:佐左木俊郎
数えるように、飯粒の上に、箸の上に、小さな動作を繰り返した。 「まだ初稼ぎだで、
山仕事で疲れてんのがと思えば……」 祖父は容赦《ようしゃ》なく続けた。 「この....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
な偽りを云い触らしたのか判りませんが、おそらく品川の借金をふみ倒した上で、なにか
山仕事を目論もうとして失敗したもので、つまりこんにちの偽華族というたぐいでしたろ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ロリに執り着かれねえなんて、いい加減なことを云い触らして、つまりはお賽銭かせぎの
山仕事ですよ。なにしろ寺でやる仕事で、町方が迂闊に立ち入るわけにも行かねえから、....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
けた。彼は聞きだすのであった。道も気持ちよく捗《はかど》っていた。
「おぬしは、
山仕事をしたことがあるのか」
「それはまア――見て下さる通りさね」
吐息をつく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
このあたりに人は無し、寺男を兼ねた夫婦の家は少し下のところにあるが、これは毎日、
山仕事に行ってしまって、夕方でなければ戻らないことを政吉がよく知っている。 「も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《くめん》をしても、一時の融通はつきましょうさ。その日その日の上りを見込んでする
山仕事と、末の見込みをつけてやる仕事とは違いますよ。線香花火みたような仕事を喜ぶ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
壇上となり、教育の学校となって行きました。 そこで、親たちは、自分のガキ共を、
山仕事、野良《のら》仕事の手伝いをさせる時間を割《さ》いても、与八のところへよこ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ていてくれるのだから、大切に、おがむようにして出してやる。店の方でも細君の方に沢
山仕事をさせたいので、機嫌をとっておいてくれるので、それでも三日目位にはあきてし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くて能率低下と思ったが、それでも八九十枚の仕事はしていました。しかし、私は様々沢
山仕事をしている人の仕事の質をも考え、自分の仕事はどうかして質量ともに高めたいと....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
つのまにか、その後ろに、彼女も立っていた。 「どうするの、これから……。」 「沢
山仕事がある。先は遠い。ゆっくり、あせらずに歩くんだ。君と別れて、僕は却って、君....
「まかないの棒」より 著者:黒島伝治
こう云った。 「なに、臭いもんか。」 「臭のうてか。われ自分でわからんのじゃ。」
山仕事から帰った父母は、うまそうに芋を食っていた。 京一は、山の仕事を思った。....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
。その頃は僕も子供あがりで、詳しいことは知らなかったが、梶井の父というのは何かの
山仕事が当って、今のことばで言えば一種の成金になったらしく、毎日大勢の職人を入れ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
面、儀作はまだその頃年も若く、ありあまるエネルギーが体内にこもっていた。で、まだ
山仕事の出来るくらいだった亡父と話し合った。 「東京の方では、この寒さにまだ寝る....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
の案内をして、幾度となく白峰の奥へ往った人たちだ。晃平は中風病で寝ている。宗平は
山仕事が忙しい。宗平の弟に宗忠というのはこの夏山岳会の人たちの赤石縦走を試みた時....
「加波山」より 著者:服部之総
って山の反対側にあたる下館《しもだて》を基地として起こった。この村人ではたまたま
山仕事に行っていた某々が人夫に徴発されただけであるが、総じて耕作農民はこの事件に....