山国[語句情報] » 山国

「山国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
もちろん海抜六百尺をもって最高点となすユトランドにおいてはわが邦《くに》のごとき山国《やまぐに》におけるごとく洪水の害を見ることはありません。しかしその比較的に....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ろ。 (ちょいと伺《うかが》いとう存じますが、) (これは何でござりまする、)と山国の人などは殊《こと》に出家と見ると丁寧《ていねい》にいってくれる。 (いえ、....
三十年後の東京」より 著者:海野十三
暑さときたら、まったく話にならないほどの暑さだった。 涼しいはずの信州や上越の山国地方においてさえ、夜は雨戸をあけていないと、ねむられないほどの暑くるしさだっ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
帯だと思っていたが、来てみると、地下一尺五寸にして水が出て、防空壕が深く掘れず、山国ゆえ食糧の移入困難の恐れもあり、加えて陸軍大学等の諸官|衙がここへ疎開してい....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
たら、まったく話にならないほどの暑さだった。 涼《すず》しいはずの信州や上越の山国地方においてさえ、夜は雨戸をあけていないと、ねむられないほどの暑くるしさだっ....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
もとの邸町の、荒果てた土塀が今もそのままになっている。……雪が消えて、まだ間もない、乾いたばかりの――山国で――石のごつごつした狭い小路が、霞みながら一条煙のように、ぼっと黄昏れて行....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
の中へおっこちるのも上手だけれど、上へのぼるのも大得意なんだよ。なぜって、わしは山国の生れでね、小さいときから、山のぼりや木のぼりをやっていて、それにかけてはお....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
釵の鸚鵡の白く羽うつがごとく、月光に微に光った。 「御坊様、貴方は?」 「ああ、山国の門附芸人、誇れば、魔法つかいと言いたいが、いかな、さまでの事もない。昨日か....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
る……こち、めばる、青、鼠、樺色のその小魚の色に照映えて、黄なる蕈は美しかった。山国に育ったから、学問の上の知識はないが……蕈の名の十やら十五は知っている。が、....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
烈しい吹雪の日でも、彼はかならず尋ねて来て何かの仕事を手伝っていた。 ここらは山国で水の清らかなせいであろう、すべての人が色白で肌目が美しい。そのなかでもお杉....
人狼」より 著者:岡本綺堂
した。 善助 むむ。天狗の出たこともある、山男の出たこともある。なにしろ斯ういう山国には不思議なことが絶えないので困る。いや、飛んだ長話でお邪魔をしました。(立....
山椒魚」より 著者:岡本綺堂
ていた。どこやらで水の音がひびいて、その間に機織虫の声もきれぎれに聞こえた。 「山国の秋だ。」 こう思いながら僕は蚊帳にはいった。昼の疲れでぐっすり寝入ったか....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
は見送りの人々にむかって「来年もまた御厄介になります。」と挨拶をして別れました。山国の秋は俄かに寒くなって、けさは袷でもほしいような陽気でした。 お江戸の役者....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
なおこの言をなし得んか。この臆病もの覚束なきなり。北国にても加賀越中は怪談多く、山国ゆえ、中にも天狗の話は枚挙するに遑あらねど、何ゆえか山男につきて余り語らず、....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
おぼえ、快い笑みを浮べつつ歓喜の心を掻き抱く。私の感受性にうったうる自然の感化は山国生活の最も尊重すべき事の一つである。 で、私は好晴の日を見ては屡々山岳の茸....