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山奥
「山奥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山奥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の一本しかない大男が現れて、
「お前は仲々笛がうまいな。己《おれ》はずっと昔から
山奥の洞穴《ほらあな》で、神代《かみよ》の夢ばかり見ていたが、お前が木を伐《き》....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《ふたまたざか》の庄屋《しょうや》殿じゃ。」といった。 この二股坂と言うのは、
山奥で、可怪《あやし》い伝説が少くない。それを越すと隣国への近路《ちかみち》なが....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。婆さん甘酒を早く、」 「はいはい、あれ、まあ、御覧じまし、鳩の喜びますこと、沢
山奥様に頂いて、クウクウかいのう、おおおお、」 と合点々々、ほたほた笑をこぼし....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
らを胡乱つくように……皆猿だ。 丘の隅にゃ、荒れたが、それ山王の社がある。時々
山奥から猿が出て来るという処だから、その数の多いにはぎょっとしたが――別に猿とい....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
した。 夫人 夜叉ヶ|池まで参ったよ。 薄 おお、越前国|大野郡、人跡絶えました
山奥の。 萩 あの、夜叉ヶ池まで。 桔梗 お遊びに。 夫人 まあ、遊びと言えば遊....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
せた。「堅くなりましょうけれど、……あの、もう二度とお通りにはなりません。こんな
山奥の、おはなしばかり、お土産に。――この実を入れて搗きますのです、あの、餅より....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
なった上を、静に通って行くのでございます。正体は知れていても、何しろそれに、所が
山奥でございましょう。どうもね、余り美しくって物凄うございました。」 と鋳掛屋....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
言うて川下へ流されたのが遁げて来ただね。 ずっと川上へ行くと、そこらは濁らぬ。
山奥の方は明い月だ。真蒼な激い流が、白く颯と分れると、大な蛇が迎いに来た、でない....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
辺にそんなものが居るのかね。……運転手は笑っていたが、私は真面目さ。何でも、この
山奥に大沼というのがある?……ありますか、お爺さん。」 「あるだ。」 その時、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
十四五町の間、雪のごとく、霞のごとく敷詰めた白い花。と見ると卯の花のようで、よく
山奥の溪間、流に添うて群生ずる、のりうつぎ(サビタの一種)であることを認めた ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ひとりポッネンと、この閑寂な景色の中に取り残されました。 たった一人で、そんな
山奥の瀑壺の辺に暮すことになって、さびしくはなかったかと仰っしゃるか……。ちっと....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
、人間が、鳥や獣よりえらいものだとそういっておさとしであったけれど、海ン中だの、
山奥だの、私の知らない、分らない処のことばかり譬に引いていうんだから、口答は出来....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
着で、相撲の強かった大男のKさんと、奥さんもたまには来られた様であったが、香椎の
山奥で作ったと云う水密桃だの梨だの葡萄だのを市場――筆者の父は青物果実問屋の親爺....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
おあまたあり。しかれども三三に、 ……(前略)……曾て茸を採りに入りし者、白望の
山奥にて金の桶と金の杓とを見たり、持ち帰らんとするに極めて重く、鎌にて片端を削り....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
昔、ある北の国の
山奥に一つの村がありました。その村に伊作、多助、太郎右衛門という三人の百姓があり....