山寺[語句情報] »
山寺
「山寺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山寺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
僕は翌々十八日の午後、折角の譚の勧めに従い、湘江を隔てた嶽麓《がくろく》へ麓
山寺《ろくざんじ》や愛晩亭を見物に出かけた。
僕等を乗せたモオタア・ボオトは在....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
っているのです?」
「潤州《じゅんしゅう》の張氏《ちょうし》の家にあるのです。金
山寺《きんざんじ》へでも行った時に、門を叩《たた》いてご覧《らん》なさい。私《わ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
っぷり経《た》ったものをと、怪《あや》しんだが、やがて気が付いて、こういう処じゃ
山寺どころではないと思うと、にわかに心細くなった。
その時は早や、夜がものに譬....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
郷の江戸お箪笥町引出し横町、取手屋の鐶兵衛とて、工面のいい馴染に逢って、ふもとの
山寺に詣でて鹿の鳴き声を聞いた処…… ……と思うと、ふとここで泊まりたくなった....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
ていました。 けれども、それから足が附いて、二俣の奥、戸室の麓、岩で城を築いた
山寺に、兇賊籠ると知れて、まだ邏卒といった時分、捕方が多人数、隠家を取巻いた時、....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
だけは事実で。――俗間で、濫に扱うべきでないと、もっともな分別です。すぐに近間の
山寺へ――浜方一同から預ける事にしました。が、三日も経たないのに、寺から世話人に....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、なお聞きたい、それさえ聞いたら、亡くなった母親の顔も見えよう、とあせり出して、
山寺にありました、母の墓を揺ぶって、記の松に耳をあてて聞きました、松風の声ばかり....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
くお目に掛る、至極|可懐しいお方だが……後で分りました。この丘は、むかし、小さな
山寺があったあとだそうで、そう言や草の中に、崩れた石の段々が蔦と一所に、真下の径....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た、微かな自覚があるのです。四辺は夕暮の色につつまれた、いかにも森閑とした、丁度
山寺にでも臥て居るような感じでございます。 そうする中に私の意識は少しづつ回復....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
という話であったが、私は都合が悪くてそれを見にゆけなかった。 鎮江に甘露寺と金
山寺がある。甘露寺からみると下が湖水になっていて、芦や葭がずっと生えている。この....
「中支遊記」より 著者:上村松園
案内賃を請求しているのである。私達は笑いながら銭をつかませてやった。 蘇州の寒
山寺、獅子林、明孝陵。鎮江金
山寺、杭州の浄慈寺、それに前に書いた平仙寺、雲林寺と....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
も手ですか、向って右へ入ると、満場ただ祇園の桜。 花咲かば告げ むといいし
山寺の…… ここの合方は、あらゆる浄瑠璃、勝手次第という処を、囃子に合わせて謡....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
こへ身体ごと包むような、金剛神の草鞋の影が、髣髴として顕れなかったら、渠は、この
山寺の石の壇を、径へ転落ちたに相違ない。 雛の微笑さえ、蒼穹に、目に浮んだ。金....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
。はい、」 といいかけて、行かむとしたる、山番の爺はわれらが庵を五六町隔てたる
山寺の下に、小屋かけてただ一人住みたるなり。 風吹けば倒れ、雨露に朽ちて、卒堵....
「迷信解」より 著者:井上円了
を示すために、古今の怪談中、一、二の例を挙げて示そうと思う。「昔、伊勢の国のある
山寺の小僧、ふと失せて見えなくなり、一両日を過ぎて堂の上におるを見つけ、これを引....