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山山
「山山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂言の神」より 著者:太宰治
、少し静かな心地になって、駅員の教えて呉れたとおりの汽車に乗った。 ながれ去る
山山。街道。木橋。いちいち見おぼえがあったのだ。それでは七年まえのあのときにも、....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
二六米突)、信州黒部の五郎岳(二八四〇米突)などで、一体に槍ヶ岳から以北、即ち立
山山脈、または後立
山山脈に頗る多い。私が薬師岳で観察した所に依ると、凡《す》べて....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
、利根川は勿論中川までもかすかに見え、武蔵一えんが見渡される。秩父から足柄箱根の
山山、富士の高峯《たかね》も見える。東京の上野の森だと云うのもそれらしく見える。....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
組立テタル愛機『スーパーヘテロダイン』ヲ携エテ今回|此途ニノボレリ。スナワチ、高
山山巓ニ於テ、米国ノ放送ヲ如何ナル程度ニ受信シ得ラルルカヲ試ミンガタメナリキ。 ....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
屏風に縫いつけられたようになって、焼岳を見詰めた、焼岳のうしろには、遠く加賀の白
山山脈が、桔梗色の濃い線を引いている、眼を下へうつすと、神河内から白骨へと流れて....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
助けに足橇まで脊中に用意、充分してさえ此大吹雪、容易の事にあらず、吼立る天津風、
山山鳴動して峰の雪、梢の雪、谷の雪、一斉に舞立つ折は一寸先見え難く、瞬間に路を埋....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
っぺんほおづけして、どうかいのちのありますようにとねがっていました。たかい、青い
山山のいただきに、ふんわり雪がつもって、きらきら光っているのが、ちょうどはくちょ....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
銅銭会縁起録が開かれたまま、膝の上に乗っていた。 「往昔福建省福州府、浦田県九連
山山中に、少林寺と称する大寺あり。堂塔|伽藍樹間に聳え、人をして崇敬せしむるもの....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
…」と言うのだった。 しかし、何よりも宝鏡先生を神経質にさせたのは、自分に「彦
山山伏」という綽名があるのを知ったことだった。先生の郷里が大分県の英彦山の附近で....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
ちかづく山の、とほざかる山の雑木紅葉の 落葉吹きまくる風のよろよろあるく 秋の
山山ひきずる地下足袋のやぶれ お山のぼりくだり何かおとしたやうな 十一月二日 ....
「地上」より 著者:島田清次郎
り取られて、黒い土肌が陰鬱な日蔭に湿っているのみであった。加賀平野の押し迫った白
山山脈の山裾の低いなだらかな山並が紫水晶のように透明な色調を、淡い甘美な夢のよう....
「澪標」より 著者:外村繁
、東方へかけて、霊仙山、鈴ヶ岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所山等、滋賀、三重両県境の
山山が望まれる。 旧北五個荘村の北東部を愛知《えち》川が流れている。源を県境の....
「村へ行く」より 著者:鶴彬
くらとした、山肌は、女の、いんこうのごとき、谷をきざむ。ああ、はるかに見る、秋の
山山は肉感的なるかな 十時五分前 太陽はさんらんと放散するのに馬車にへこんだ、村....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
い。日本の屋根ともいう可き北アルプスの二大脊梁――東西に平行して南北に縦走する立
山山脈と後立
山山脈――の大棟を辷り落ちる無量の雫を集めた絶大な雨樋は、黒部川の峡....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
時二十分。待ち憧れていた雪渓に達した。もう占めたものだ。顧ると谷の正面を限る後立
山山脈には、積雲の大塊が屯して盛に活動している。もくもく湧き上る白銀を溶したよう....