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「山嶺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山嶺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
であるから、造作はないぐらいに考えていた、そのころ、今日でいう日本アルプス系の大山嶺で、私が名を知っていたものは、立山御嶽などいう火山の外には、木曾の駒ヶ岳(大....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の形が円錐になりますね」 これには、さすがのダネックもあっと驚いた。まだ、あの山嶺の写真は一つしか発表してない。西側からのは、実をいうと写真にもとってないのだ....
鉛筆の詩人へ」より 著者:宮本百合子
がいでしょう。ここにわれらの鳴りひびく打楽器があります。あすこには、雪のきらめく山嶺とそこに孤独であってはじめて確保された唯心的で超歴史的な恍惚があります。「運....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
行手の山を指さして、 「白馬の頂《いただき》が見えました」 「なるほど」 その山嶺を仰ぎ見ますと、真白な雪が、身ぶるいしているのを認めました。 「裏の国では、....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
れて立っているのが見え、その中の一つの背後に第三のもっと高い山が聳えていて、その山嶺はまだ霧に包まれていた。三つとも尖っていて円錐形をなしていた。 これだけを....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るる明るい大空のごときもあり、豊饒《ほうじょう》な平野のごときもあり、切り立った山嶺《さんれい》のごときもある。ジャン・クリストフは、いつも大河のごとくに私の眼....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ばてい》に蹴《け》倒され踏みにじられながらも、雲霧の中に浄化の荒い火が燃えている山嶺《さんれい》まで、血まみれになってたどりゆく。神と相面して立つ。ヤコブが天使....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は二十三年前、風守が生れる前後のことから話をしないと分らない。 多久家は八ヶ岳山嶺に神代からつづくという旧家であった。諏訪神社の神様の子孫という大祝家よりもも....
不周山」より 著者:井上紅梅
えきれない。 「あーあ、私は今までこんなにつまらないことはなかったわ」彼女はある山嶺に腰をかけ、両手で頭をかかえて、のぼせ上って言った。 このとき崑崙山上の大....
新疆所感」より 著者:日野強
線の設定せられたるものなく、この地方一帯の民族が一定の住所なく、肥沃の地を見れば山嶺をこえて移耕し、土地すでに尽くれば、更に河流を渉りて他に転穡(てんしょく)す....
湖水と彼等」より 著者:豊島与志雄
不安が彼女の心に萠した。湖水の上から、対岸の陰った山懐から、遠く眼がかすむような山嶺から、更に青い空まで彼女は静に視線を移した。そして斯う云った。 「よろしいん....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
けて流れ出してしまうのを例としているのである。地質の関係もあろう。概して裏日本は山嶺近くから耕地が開け、殖林が疎らである。従って陽当たりがいい、雪が早く解けると....
旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
さびたるけしき仙源に入りたるが如し。 紅葉する木立もなしに山深し 千里の山嶺を攀《よ》じ幾片の白雲を踏み砕きて上り着きたる山の頂に鏡を磨《と》ぎ出だせる....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
は、かの国山川の感化より来たるもの、またすくなしとせず。その地にそびゆるところの山嶺は、自然にして起こり自然にして高く、決して突起危立するにあらず。その地を横ぎ....
西航日録」より 著者:井上円了
八度に当たる。その村の背後にベンウィビス(Ben Wyvis)嶺の横臥するあり、山嶺白雪皚々たり。故をもって気候なお寒く、木葉のいまだ萌芽せざるものあり。インバ....