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「山影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山影の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源おじ」より 著者:国木田独歩
、 「幸助殿はかしこにて溺《おぼ》れしと聞きしに」振り向いて妙見《みょうけん》の山影黒きあたりを指《さ》しぬ、人々皆かなたを見たり。 「我子とは紀州のことなり」....
少年の悲哀」より 著者:国木田独歩
変わり、僕にはいつも見慣れた泥臭《どろくさ》い入り江のような気がしなかった。南は山影暗くさかしまに映り、北と東の平野は月光|蒼茫《そうぼう》としていずれか陸、い....
富士」より 著者:岡本かの子
さ》に劉喨《りゅうりょう》と闌《たけなわ》である。 翁が呆然眺め上げる福慈岳の山影は天地の闇を自分に一ぱいに吸込んで、天地大に山影は成り切った。そう見られる黝....
白妖」より 著者:大阪圭吉
んです」 紳士は首を屈めて、外の闇を覗き込んだ。――急に低くなった眼の前の黒い山影の隙間を通して、突然強烈な白色光が、ギラッと閃いて直ぐに消えた。紳士はなにや....
地球要塞」より 著者:海野十三
――クロクロ島の紛失《ふんしつ》 望遠鏡に、ケープ・ホーンの、鬼気《きき》迫る山影がうつったかと思う間もなく、南米大陸は、ぐんぐんと後に小さくなって、やがて視....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
万葉に幾つもあるのだが、この種類の一代表として選んだのである。参考歌に、「安積香山影さへ見ゆる山井の浅き心を吾が念はなくに」(巻十六・三八〇七)がある。 ....
わかれ」より 著者:国木田独歩
にありて青年を待てり。登りつむればここは高台の見晴らし広く大空澄み渡る日は遠方の山影鮮やかに、国境を限る山脈林の上を走りて見えつ隠れつす、冬の朝、霜寒きころ、銀....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
のは蛇笏を褒めた時に、博覧強記なる赤木桁平もどう云う頭の狂いだったか、「芋の露連山影を正うす」と間違えて僕に聞かせたからである。 しかし僕は一二年の後、いつか....
女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
というものを余りよく知らないが、あちこちと茸狩してもう帰り路でもあろうか。向いの山影から弓絃をはりきった如き月が鮮かにさしのぼった。 月既にと、弓絃を、ふつり....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
私は、刻んで動く水を好まない。この川の上流は野呂川とよばれて、水は油のように、山影を浮べたまま静かに静かに流れているという、私はそういうところを画きたいが、こ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ろの富国策を用うるよりほかなし。 船、玄海を渡りて馬関に近づくに及び、その雲容山影の尋常に異なるを見、ようやく近づきてその風景の画図中の山水に類するがごときも....
西航日録」より 著者:井上円了
国なると同時に大迷信国なりといわんとす。余、シャンハイにありて四面を一望するに、山影の眼光に触るるなく、平原百里に連なり、河水縦横に通じ、いわゆる沃野千里なるも....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
州の山々をとじこめてしまった。) 夜暗くして波光りあり。 八日、雨。暁窓四面山影を見ず。 単身去、東天白処是皇洲。 (たった一人で国を去って南半球に向かう。....
白すみれとしいの木」より 著者:小川未明
れにしても、何十|里あるかわかりませんでした。 月光に照らされている、その遠い山影を望みますと、もし雪を渡ってまっすぐにいくことができたならそんなに遠くもない....
白い影」より 著者:小川未明
このあたりはめったに人の通るところでなし、安心をして、彼は前方に見える遠い国境の山影などをながめて、その山の頂に飛んでいる雲のあたりに空想を走らせていたのであり....