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「山手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
早春」より 著者:芥川竜之介
日の三重子は幸か不幸か全然|昨日《きのう》の三重子ではない。昨日の三重子は、――山手《やまのて》線の電車の中に彼と目礼だけ交換《こうかん》した三重子はいかにもし....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
もいなかったわけだ。 貴子は大阪で経営していたバーが焼けてしまうと、一時蘆屋の山手のしもた家で、ひそかに闇料理をしていたのだが、終戦と同時に、焼け残った京都と....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
着いて、西の町の島田の家をたずねると、思いのほかに早く知れた。東海道から小半町も山手へはいった横町の右側で、畑のなかの一軒家のような茅葺《かやぶき》屋根の小さい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。 主税は天窓から悚然とした。 「あれはどうした。」 「え、」 「俺はさっぱり山手になって容子を知らんが、相変らず繁昌か。」 三十九 小芳は我....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
った。 「無線と雑音の研究」を思いたったHS生は、東海道線大磯駅から程とおからぬ山手に住んでいる人だった。彼の家にはラジオ受信機があったが、ラジオを聴いていると....
少年探偵長」より 著者:海野十三
ない。 彼はヘリコプターから見つけられないようにと、塀づたいに夜の町をぬって、山手へ逃げた。 二百メートルばかりいくと、そこから向こうは急に高く崖になってい....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
書きこんであり、本欄の各項はそれぞれ小さい文字で埋《うま》っていた。 “――省線山手線内廻り線の池袋駅停り電車が、同駅ホーム停車中、四輌目客車内に、人事不省《じ....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
を破って、どどーんの一大音響が聞え、愛宕山が、地震のように動いた。それと同時に、山手寄りの町に炎々たる火柱がぐんぐん立ちのぼって、天を焦がしはじめた。 検事は....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ともいわず、刈田と言わず、真直に突切って、颯と寄った。 この勢いに、男は桂谷の山手の方へ、掛稲を縫って、烏とともに飛んで遁げた。 「おお。」 「あ、あれ、先刻....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
って、手に取るごとく聞えよう。 実は、この温泉の村に、新に町制が敷かれたのと、山手に遊園地が出来たのと、名所に石の橋が竣成したのと、橋の欄干に、花電燈が点いた....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
更にエス・ビーの電車で五哩程行くと、セミナリー・アヴェニュに出る。ここで下車して山手の方へ十町ばかり行くと、そこにユーカリプタスの森がある。その森の中には太平洋....
余齢初旅」より 著者:上村松園
出るのはひかえて、三日ほどはその宿で静養していたのであった。そして四日目は抗州の山手に二つばかりある寺をみに行った。寺は玉泉寺というのと雲林院である。ここはやは....
山吹」より 著者:泉鏡花
はこんな姿におなりなさるのだけは堅くお止め申します――失礼をします。(衝と離れて山手に赴く。) 夫人 (画家の姿、槻の樹立にかくれたる時、はらはらとあとを追い、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
いことはしたがらねえだろう、この間もね、先生、お聞きなさいまし。そういう風だから山手も下町も、千住の床屋でまで追出されやあがって、王子へ行きますとね、一体さきさ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
がね。」 「おや、やっぱり、床屋さん。」 「床屋にも何にも、下町じゃ何てますか、山手じゃ、皆が火の玉の愛吉ッていいましてね、険難な野郎でさ。」 「三|厘でもあり....