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山椒魚
「山椒魚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山椒魚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
(はじめに、黄村先生が
山椒魚《さんしょううお》に凝《こ》って大損をした話をお知らせしましょう。逸事の多....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
の魂は彼の肉体よりも先へ年とっている。千年も生きて了って、もう仕方なくなっている
山椒魚が黒く湿気た落ち葉の堆積の下にうずくまって、五分若しくは十分間に一度づつ呼....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
道らしいものはありませんが、割合楽でした。種ヶ池には今年できた小屋があり、池には
山椒魚がいると書いてありました。鹿島槍を下って道は峰を巻いています。下り切って、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
つと進んだ。とたんに水藻の花が揺れた。と、その蔭から顔を覗かせたのは、母指ほどの
山椒魚であった。 清らかな空気には花の香が、咽せ返るほどに籠っていた。 お伽....
「花吹雪」より 著者:太宰治
先生なのである。私は今年のお正月、或る文芸雑誌に「黄村先生言行録」と題して先生が
山椒魚に熱中して大損をした時の事を報告し、世の賢者たちに、なんだ、ばかばかしいと....
「俳句の型式とその進化」より 著者:寺田寅彦
勦絶に骨を折らなくても当代の環境で栄えるはずはないであろう。全く死滅しないまでも
山椒魚か鴨の嘴のような珍奇な存在としてかすかな生存をつづけるに過ぎないであろう。....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
古い白壁、寺の塔など睫を擽る中に、行交う人は点々と蝙蝠のごとく、電車は光りながら
山椒魚の這うのに似ている。 忘れもしない、限界のその突当りが、昨夜まで、我あれ....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
一年生だった私は、それを読んで、坐っておられなかったくらいに興奮した。それは、「
山椒魚」という作品であった。童話だと思って読んだのではない。当時すでに私は、かな....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
る。月が雲を割って現われた。はるかのむこうで銀箔のように、平らに何か光っている。
山椒魚の棲んでいる湖なのさ。……お聞きよお聞きよ閧の声が聞こえる。大森林の向こう....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
に侍は通り過ぎてしまったのかも知れない。 伊四郎が見たのは龍ではない、おそらく
山椒魚であろうという者もあった。そのころの江戸には川や古池に大きい
山椒魚も棲んで....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
二 岩の割れ目から、月の雫のように清水の玉が滴り落ちる渓流の源には、
山椒魚が棲んでいる。これは、源流の水温が最も低いからである。源流が下って、せせら....
「河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
たけやしめじのうまさ、うどやぜんまいのうまさ、そばやそうめんのうまさ、すっぽんや
山椒魚のうまさ、若狭の一と塩、石狩の新巻、あるいは燕巣、あるいは銀耳、鵞鳥の肝、....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ぬ。
ふくろふ、たげり、かけす等も、
皆いまだ眠らでありや。
おどろが下を這ふは
山椒魚にもや。
脚長く腹は肥えたり。
石間より、沙の中より
出づる木の根は、蛇の....
「山椒魚」より 著者:北大路魯山人
ものはない。 「変ったたべものの中で美味いものは?」 と問われるなら、さしずめ
山椒魚と答えておこう。
山椒魚を食うのは、決して悪食ではないが、ご承知のように....
「蝦蟇を食べた話」より 著者:北大路魯山人
山椒魚は手に入れるのが困難だが、反対にいくらでも手に入るもので、しかも、滅多に人....