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「山番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
がゆるいのによく滑って嬉しかった。 槍ヶ岳 二月十日 雪 柏矢町六・三〇山番小屋九・三五 一ノ沢一八〇〇メートルくらいの地点にて引返す五・〇〇 山番小屋....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
聞かなく成った。軽い腰籠を提げたまま南瓜の花の咲いた畠のあるところへ出て行った。山番の小屋が見えた。 山番 番小屋の立っている処は尾の石と言って、黒....
氷河期の怪人」より 著者:海野十三
いが、どこかに、人間はいないであろうか。登山者がいてくれるといいのだが、あるいは山番でもいい。 太陽は山のはしからのぼって、雪山一たいをぎらぎらとてりつける。....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
て口を入れた……噛むがごとく杯を銜みながら、 「あすこじゃあ、お狗様と言わないと山番に叱られますよ。」 藤助は真顔で、微酔の頭を掉った。 「途方もねえ、見当違....
山峡新春」より 著者:宮本百合子
知板がところどころに建っていて、第×林区、広田兵治など書いてある。その、炭焼きか山番かであろう男が一人いる処は、向う山か、遙かな天城山の奥か。 或る角で振返っ....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
ども今はもうすっかり廃跡になって、崩れた舞踏場の傍に、小さい小屋掛けをした老人の山番が、犬を一匹友達にして棲んで居る限りでございます。きっと、金持連の世間から隔....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。珍しやここにまだ新しい山小屋が一軒、その以前に見かけなかったものだが、猟師か、山番の小屋か、立寄って見ると締め切った入口に札がかけてある。 「長兵衛小屋 大....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ノキが自生しているところがある。ここは入会地ではなくて、所有者がハッキリしていて山番も居り、ひそかにこのヒノキをきりだして徳川時代に死刑になった例があるから、大....
竈の中の顔」より 著者:田中貢太郎
「寺にはいない、庵におるそうだ、ついするとあすこかも判らない、往ってみようか、山番の小屋だったところで、良いじゃないか、どうせ腹こなしだ」 三左衛門は路に注....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
た。皆ビックリした。 「お訴え申上げます。当村に人殺しがござりました。その死骸は山番小屋裏の荒地に埋めてござりまする」と又鸚鵡石が人語を発した。純之進はビックリ....
『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
た。 『遅くなってすまぬ』 静かに、落ちついた声である。 ところへ、堂の前を山番の八蔵という親爺が通りかかって、 『おはようございます』 と会釈して行き過....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
事なのです。あたしのことはどうぞ、心配しないでちょうだい。 三 鉱山番《やまばん》が寝泊りしていたバラック建ての小屋は、あわれなようすで崖の上に立....
清心庵」より 著者:泉鏡花
ぬじゃ、おッぽり出してしまわっせえよ。はい、」 といいかけて、行かむとしたる、山番の爺はわれらが庵を五六町隔てたる山寺の下に、小屋かけてただ一人住みたるなり。....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
が、今は問題のあまりに枝葉に渉るを避けて略します。 このほかにも、犬神人だの、山番・野番の番太だのと、種々の賤民もありましたが、大抵はもとは似たもので、それが....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
、その警察事務を受け持ち、その安寧を保障する事であった。盗賊の番、火の番、野番、山番などを始めとして、押売強請者の追っ払い、行倒れの取片付け、行路病者の保護、行....