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山草
「山草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「観画談」より 著者:幸田露伴
かった。冷い挽割飯と、大根ッ葉の味噌汁と、塩辛く煮た車輪麩と、何だか正体の分らぬ
山草の塩漬の香の物ときりで、膳こそは創だらけにせよ黒塗の宗和膳とかいう奴で、御客....
「旅愁」より 著者:横光利一
、その一首だけを覚え込んだものである。多分作者は地方の無名の人だろう。
「葬路の
山草茂み行きなづみ骨箱の軽さに哭かんとするも」
彼はこれを繰返し手にした骨箱を....
「雪魔」より 著者:海野十三
うちに二人の少年は村をあとにして山のぼりをはじめたのだった。雪はとけていた。春の
山草の香がぷんぷん匂っていた。そして朝日が東の山の上に顔を出すころ、ちょうど青髪....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
に情熱をうちはめてゆく資質の傾向も独特で、例えば同じ文芸協会に女優として入った上
山草人の夫人山川浦路の気質などとは、対蹠的であったと思われる。山川浦路は、文芸協....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ちた奴を……一雨ぐらいじゃ直ぐ乾く……握り壊して来る間に、お雪さんは、茸に敷いた
山草を、あの小石の前へ挿しましたっけ。古新聞で火をつけて、金網をかけました。処で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ登りましても人寰《じんかん》の展望をほしいままに致そうとの慾望もござりませず、
山草、薬草の珍しきを愛《め》でて手折《たお》ろうとの道草もござりません、ただ一心....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
はあるが、未だ語気が求心的である。 ○ 山河の水陰に生ふる
山草の止まずも妹がおもほゆるかも 〔巻十二・二八六二〕 柿本人麿歌集 上句は序....
「松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
出来たが、同期に女優になり、いまは「近代劇協会」を主宰している良人《おっと》の上
山草人《かみやまそうじん》氏と御夫婦しておなじ協会の生徒であった山川浦路《やまか....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
あった。 それで急いで反対の方を見た。そちらの壁には、蔭乾しにと釣り下げてある
山草花の横手から、白露の月に光るが如き涼しく美しき眼の輝きが見えた。若き女性と直....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
は、昭和十五年の六月初旬であった。そのときは、死んだ釣友の佐藤惣之助と老俳優の上
山草人と行を共にしたのである。 私らは、那智山に詣でた。那智の滝の上の東側の丸....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
でいたのである。また徳川時代に出版になった『訓蒙図彙《きんもうずい》』や『絵本野
山草《えほんのやまぐさ》』などにはオニユリ(巻丹)、ヒメユリ(山丹)、スカシユリ....
「利尻山とその植物」より 著者:牧野富太郎
吉川真水という人と、幌向《ホロムイ》の泥炭《でいたん》地に採収を試みた、この日は
山草家の木下友三郎君も同行せられることになった、ちょっと話が前に立戻るが木下君は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
小さなテントを張ってその中で火を燃して居る者があって、そのテントの近辺に騾馬が沢
山草を喰って居ります。
これはトモの人でカリンポンまで騾馬で羊毛の荷を運ぶので....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
でございます。もちろんそれも、まずそこの「土地土地に聞いて、」即ち、そこにどんな
山草が繁茂しているかを調べて見て、その上で選択すべきであることは申上げるまでもご....
「雪の十勝」より 著者:中谷宇吉郎
象の見方、保温の方法、器具の取扱い法、食料としての兎《うさぎ》の猟《と》り方から
山草の料理法など、すべての事柄について、隅《すみ》の隅まで行き届いた細かい注意が....