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「山蟻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山蟻の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
ある美しい蝶が五、六羽、蜂が二種類、金亀子のような甲虫が一種、そのほかに、大きな山蟻や羽蟻もいる。 よく見ると、木の幹には、いくつとなく、小指の頭ぐらいの穴が....
旅愁」より 著者:横光利一
が蜂を集めている。矢代は片頬を肱で支えテーブルに凭れているうちに、卓布の上を這う山蟻がだんだん大きく見えて来た。身体が浮き上っていくのか沈み込んでゆくのか分り難....
日輪」より 著者:横光利一
我らに命じた者は宿禰である。」と、一人はいった。 忽ち毒汁の泡の上には、無数の山蟻の死骸が浮き上った。 七 不弥の国から一人の偵察兵が奴国の宮....
星女郎」より 著者:泉鏡花
を、不作法に指で解いたように。 はッとしながら、玉を抱いた逆上せ加減で、おお、山蟻が這ってるぞ、と真白な咽喉の下を手で払くと、何と、小さな黒子があったんでしょ....
海水浴」より 著者:寺田寅彦
洋の真中から吹いて来る無垢の潮風がいきなり松林に吹き込んでこぼれ落ちる針葉の雨に山蟻を驚かせていた。 明治三十五年の夏の末頃|逗子鎌倉へ遊びに行ったときのスケ....
丘の上」より 著者:豊島与志雄
、かさかさに皺寄ってる唇へかけて、黒血の交った泡の乾いたのがこびりついて、それに山蟻が一杯たかっていた。蝿が一匹どこからか飛んできて、額の横の方にとまって、びく....
浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
、それから浅間をかけ下りた。危険だが追分口の近道を取り、山麓の森林中で道に迷い、山蟻の巣を蹴散らし、「山蟻を全身に浴び」ながら、沓掛に出で、軽井沢まで自動車を走....
古木」より 著者:豊島与志雄
。 巳之助の幼時、この椎の大木の下蔭は、なにか怪異な世界に思われました。大きな山蟻が、駆けだしたり立ち止ったりしていました。雨のあとには、大きな蝸牛が匐いまわ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
方。 美少年は後から、トンと武道者の背を蹴った。前にバッタリ大木が倒れた状態。山蟻が驚いて四方に散った。 血鎌を振って美少年はニッコと笑み。 「たわけな武者....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
と松落葉を集めて洋傘高に盛り上っている。試みに杖などであばいて見ると、その中には山蟻が一杯群をなしている。彼等は決して人間に害を加えようとはしない。食いつきもし....