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山路
「山路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
ませんか? それから半時《はんとき》もたたない内に、あの夫婦はわたしと一しょに、
山路《やまみち》へ馬を向けていたのです。
わたしは藪《やぶ》の前へ来ると、宝は....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
た時には、何のことも忘れて、砕《くだ》けろ、微塵《みじん》になれと横なぐりに体を
山路《やまじ》へ打倒《うちたお》した。それでからもう砂利《じゃり》でも針でもあれ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
へ引返す途中になるまで、気疾に引込んでしまったので、左右の暇も無く、姉夫人は鶴が
山路に蹈迷ったような形で、机だの、卓子だの、算を乱した中を拾って通った。 菅子....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
てから、急に我ながら、世にも怯えた声を出して、 (わっ。)と云ってな、三反ばかり
山路の方へ宙を飛んで遁出したと思え。 はじめて夢が覚めた気になって、寒いぞ、今....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ようでありますが、客人の話について、些と考えました事がござる。客人は、それ、その
山路を行かれたので――この観音の御堂を離れて、」 「なるほど、その何んとも知れな....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
屋根は熱し、天井は蒸して、吹込む風もないのに、かさかさと聞こえるので、九十九折の
山路へ、一人、篠、熊笹を分けて、嬰子の這出したほど、思いも掛けねば無気味である。....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
かり。細竹に筒をさして、四もんと、四つ、銭の形を描き入れて、傍に草鞋まで並べた、
山路の景色を思出した。 二 「この蕈は何と言います。」 山沿の根....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
た。 宰八に聞いた、あの、嘉吉とか云う男に、緑色の珠を与えて、月明の村雨の中を
山路へかかって、 (ここはどこの細道じゃ、 細道じゃ。 天神様の....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
中の面白さ。酒はよし、景色はよし、日和は続く。どこへ行っても女はふらない。師走の
山路に、嫁菜が盛りで、しかも大輪が咲いていた。 とこの桑名、四日市、亀山と、伊....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た。」 と鋳掛屋は、肩を軟に、胸を低うして、更めて私たち二人を視たが、 「で、
山路へ掛る、狼温泉の出口を通るんでございますが、場所はソレ件の盆地だ。私が飲んで....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
て落した梨の皮をくるくると指に巻いて、つまらなく笑いながら、 「ははは、野原や、
山路のような事を言ってなさらあ、ははは。」 「いやいや、まるで方角の知れぬ奥山へ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
頭をドンと敲いて、(お先へ。)だってよ、べろりと赤い舌を出して笑って谷へ隠れた。
山路はぞろぞろと皆、お祭礼の茸だね。坊主様も尼様も交ってよ、尼は大勢、びしょびし....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、日光、軽井沢などだったら、雲のゆききのゆかりもあろう。ここは、関屋を五里六里、
山路、野道を分入った僻村であるものを。―― ――実は、銑吉は、これより先き、麓....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ならぬよう、日頃好みの礼装に、例の被衣を羽織ました。 ヅーッと何処までもつづく
山路……大へん高い峠にかかったかと思うと、今度は降り坂になり、右に左にくねくねと....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
、たった一年間に、何という弱りようをしたものだろうと思ったからである。だが、朝の
山路はいい。殊に雨に洗われた闊葉樹林の路を下るのはいい。二人はいつの間にか元気に....