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「山門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
を恐れているのじゃ。おれはこう考えたら、苦笑《くしょう》せずにはいられなかった。山門や源氏《げんじ》の侍どもに、都合《つごう》の好《い》い議論を拵《こしら》える....
みちのく」より 著者:岡本かの子
する人は土地の有志三四名と宿屋の番頭であった。一行はいま私が講演した会場の寺院の山門を出て、町の名所となっている大河に臨み城跡《しろあと》の山へ向うところである....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
きは二十四歳。こういう由緒を簡単に、主人は前の俥から話し送って呉れる。そういえば山門を向き合って双方、名|灸所《きゅうしょ》と札をかけている寺など何となく古雅な....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
、虎渓橋の袂。川辺には柳|幾本たちて、芒と芦とみだれ生いたり。橋を隔てて修禅寺の山門みゆ。同じ日の宵。 (下田五郎は頼家の太刀を持ち、僧は仮面の箱をかかえて出づ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
ねの線香、一銭蝋燭を添えて持った、片手を伸べて、「その提灯を」といったのである。山門を仰いで見る、処々、壊え崩れて、草も尾花もむら生えの高い磴を登りかかった、お....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
一 つれの夫人がちょっと道寄りをしたので、銑太郎は、取附きに山門の峨々と聳えた。巨刹の石段の前に立留まって、その出て来るのを待ち合せた。 ....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
などへ行くそうです。奇人連中の寄合ですから、その頃随分面白い遊びをやったもので、山門で茶の湯をやったり、志道軒の持っていた木製の男根が伝っていたものですから、志....
我が宗教観」より 著者:淡島寒月
上で坐禅を組んだので、大河内子が止めたそうでした。それから南禅寺に行った時にも、山門の上で子にすすめられて坐禅をしたという話でした。ところがこれほど凝った禅も、....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
源兵衛の首を打落す。袖を千切って首を包む。) (幕、落ちる。) (正面、三井寺の山門。左右へ厳重な柵が立ち並んでいる。柵内柵外の木々の紅葉は大分散り果てたが、そ....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
ってゆく人の頭の上にのしかかって咲いております、それはとても見事な美しさでした。山門をはいってずっと奥にゆきますと、鐘楼があって、そこにまた格好のいい見事な枝垂....
余齢初旅」より 著者:上村松園
。寺は玉泉寺というのと雲林院である。ここはやはり皇軍の進撃した戦蹟なのであった。山門なども半分はくだけていた。山手でさびしいところなので、まだあぶないものとみえ....
中支遊記」より 著者:上村松園
。 西湖に姑娘が漕ぐ舟を浮べ私や三谷は写生帖を持ちこんだ。 平仙寺雲林寺等の山門は戦禍をうけていたが寺々のものは何ともなっていなかった。その寺の奥には、寝床....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
て通ったのです。 向って、たらたらと上る坂を、可なり引込んで、どっしりした茅の山門が見えます。一方はその藪畳みで、一方は、ぐっと崖に窪んで、じとじとした一面の....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
坊であった。 作さんの家内太夫入門・東京で初めてのピヤノ弾奏者・椿岳名誉の琵琶・山門生活とお堂守・浅草の畸人の一群・椿岳の着物・椿岳の住居・天狗部屋・女道楽・明....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
いことをした」という。門へ入る、両側に人家がある、宿屋もある、犬が連りに吠える。山門を潜ったが、奥にはゆかず、道を左に取って山田の畦をゆく。家の形も面白く、森や....