山陰[語句情報] »
山陰
「山陰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山陰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
屋敷へ踏みこんで、勝負を決したいような心もちさえした。
しかし恩地小左衛門は、
山陰《さんいん》に名だたる剣客であった。それだけにまた彼の手足《しゅそく》となる....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、九十三高地《くじゅうさんこうち》の北麓《ほくろく》を出発した。
路《みち》は
山陰《やまかげ》に沿うていたから、隊形も今日は特別に、四列側面の行進だった。その....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
》でも、黄金《おうごん》二十|鎰《いつ》に換えたという、李営丘《りえいきゅう》の
山陰泛雪図《さんいんはんせつず》でさえ、秋山図の神趣に比べると、遜色《そんしょく....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
せん。わたしは今朝《けさ》いつもの通り、裏山の杉を伐《き》りに参りました。すると
山陰《やまかげ》の藪《やぶ》の中に、あの死骸があったのでございます。あった処でご....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
れは雲をつかむがごときおぼつかなき捜索であった。五|畿内《きない》、東海、東山、
山陰、山陽、北陸、南海と、彼は漂泊《さすらい》の旅路に年を送り年を迎え、二十七の....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
隊の将校集会所でドイツ語を教えているという話だった。登坂は一時水産で大ぶ儲けて、
山陰道のどこかで土地の芸者を二人ばかりかこっていたというほどの勢いだったそうだが....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ルウェンゾリがみえる。そのしたの、風化した花崗石のまっ赭な絶壁。そこから、白雲と
山陰に刻まれはるばるとひろがっているのが、悪魔の尿溜につづく大樹海なのである。 ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
。 (一九二七) 兵庫槍―大天井―鷲羽登山 五月二十八日、午前〇時三十九分私は
山陰線|八鹿駅に下車し兵庫梓川を七里余も上って福定という村へ着いた。兵庫槍は前に....
「死者の書」より 著者:折口信夫
畳まった山と、谷とに響いて、一つの声ばかりがする。 おおう……。 万法蔵院の北の
山陰に、昔から小な庵室があった。昔からと言うのは、村人がすべて、そう信じて居たの....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
吹く風の、いつ来て、いつ歇んだかを覚えぬがごとく、夕日の色の、何の機に我が袖を、
山陰へ外れたかを語らぬごとく。 さればその間、およそ、時のいかばかりを過ぎたか....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
はれには、多くたち優る」有明月夜、「三昧堂近くて、鐘の声、松の風に響き」わたる磯
山陰の景色が思い出され、「隠れなき御匂ひぞ風に従ひて、主知らぬかと驚く寝覚の家々....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
ど優せていたよ。 七月の夏休みになって、妹の美智子は郷里へ帰省する。僕の郷里は
山陰道で、日本海に面しているHという小都会だ。僕は毎年おなじ郷里へ帰るのもおもし....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
。このごろちょっと帰京して参ったので、いずれ四、五日中には再びこの地を出立して、
山陰道諸県下を巡回いたすつもりでござります。それはほかに少し目的があるので、すな....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
さ啼きの声が忙しない。 池の茶屋に着いたのは一時半であった。 十九
山陰の窪地に水が溜っている、不規則な楕円形の、広さは一反歩もあろう、雑木林に囲ま....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
にあらず。また、チリ人は自尊排他の風ありという。これけだし、従来その位置アンデス
山陰の僻陬にありて、ほかと交通を欠けるによるならん。バルパライソを去るに際し一詩....