山風[語句情報] »
山風
「山風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
結願《けちがん》の当日岩殿の前に、二人が法施《ほっせ》を手向《たむ》けていると、
山風が木々を煽《あお》った拍子《ひょうし》に、椿《つばき》の葉が二枚こぼれて来た....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
日はどうでもいい」と、おこんは意味ありげに又笑った。 男はもう黙ってしまって、
山風にゆれる行燈の火にその蒼白い顔をそむけながら、冷えた猪口《ちょこ》をちびりち....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
った。 直二と先任将校の乗っている艦上機は、予定通り、近所を航進中の、駆逐艦|
山風に救い上げられた。
山風は直ちに隊列を離れて、旗艦陸奥に向けて急航して行った。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
洗って貰ったのは、昔からたくさんあったに相違ありません。うす暗い座敷で行燈の火が
山風にゆれています。江戸絵を貼った屏風をうしろにして、若い旅人が白い腕をまくって....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、松井田へ出るかして、ここに一泊する群れはあまり多くないので、夜はいつものように
山風の音がさびしかった。 「お客さまがおいでになりました。」 宿の女中がこう言....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ぷんで、わけが分らなかった。 さあ、どういうことになるか。 そのとき、一陣の
山風がさっと吹きこんできて、枯葉がまい、焚火の焔が横にふきつけられて、ぱちぱちと....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
びだしていった。 丁坊は、窓のところに顔を出して、ものめずらしげに、あたりの氷
山風景をながめまわした。 よくみると氷山の下がくりぬいてあって、大きな穴ができ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
かるように聳えていて、真っ黒な大空には銀色の大きい星がかがやいています。桐の葉が
山風にざわざわとそよいで、秋よりも冷たい山の空気が湯あがりの肌にぞっと沁みました....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
とは遠慮なしに飲んで食った。まだ宵ながら山奥の夜は静寂で、ただ折りおりに峰を渡る
山風が大浪の打ち寄せるように聞えるばかりであった。 酒はさのみの上酒というでも....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
にかかっている髑髏は夜ごとにからからと笑うのである。笑うのではない、乾いた髑髏が
山風に煽られて木の枝を打つのであると源兵衛は説明したが、女房は承知しなかった。髑....
「作画について」より 著者:上村松園
はそれに決めた訳です。 葵の上は光源氏の時代を取材したものですが、私はそれを桃
山風の扮装にしました。 思いつめるということが、よい方面に向えば勢い熱情となり....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
よ それでも何かの獲物があれば結構でござります。幸いに天気は好うござりましたが、
山風はなかなか冷えたでござりましょう。早く炉のそばへおいでなされませ。 (砧の音....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
灯のない温泉場で、うす暗いランプの光をたよりに、夜ふけのふろなどに入っていると、
山風の声、谷川の音、なんだか薄気味の悪いように感じられることもあった。今日でも地....
「影」より 著者:岡本綺堂
えは今夜、どうかしているな。 (二人は向い合って焚火にあたっている。薄く
山風の音。小唄の声遠く聞ゆ。) ※惚れて通うに何怖かろう。 (太....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
秋が来る。
山風が吹き颪す。欅や榎の葉が虚空へ群がってとびちる。谷川の水が澄みきって落栗が明....