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山鳴
「山鳴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山鳴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
「赤耀館事件」と言えば、昨年起った泰
山鳴動して鼠一匹といった風の、一見詰らない事件であった。赤耀館に関係ある人々の急....
「神話と地球物理学」より 著者:寺田寅彦
降灰による天地|晦冥の状を思わせる。「ここに万の神の声は、狭蠅なす皆|涌き」は火
山鳴動の物すごい心持ちの形容にふさわしい。これらの記事を日蝕に比べる説もあったよ....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
緒的または本能的である場合に泣くほうに推移しやすいのではないかと思われる。 大
山鳴動して一鼠《いっそ》が飛び出したといったようなときの笑いは理知的であり、校長....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
「へへえ、山賊がねえ。そして、その山賊はとっつかまったんですか」 「ところが、泰
山鳴動して鼠一匹でね。つかまったのは雑魚ばかり。大物はみんな逃げてしまったという....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
けに足橇まで脊中に用意、充分してさえ此大吹雪、容易の事にあらず、吼立る天津風、山
山鳴動して峰の雪、梢の雪、谷の雪、一斉に舞立つ折は一寸先見え難く、瞬間に路を埋め....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
上げ、はた、と切る。どうと撞木落つ。) 途端にもの凄き響きあり。――地震だ。――
山鳴だ。――夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。真暗な雲....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
り上げて、ちとおかしな調子で、「我は官軍、我が敵は」と叫び出して山手へと進んだ。
山鳴り谷答えて、いずくにか潜んでいる悪魔でも唱い返したように、「我は官軍我敵は」....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きっ》とそちらを振向くと、食い残した食膳に一匹の鼠がはいかかっている。なんだ、泰
山鳴動《たいざんめいどう》もせずに鼠一匹。 さむらいは、手裏剣を抜いて、その鼠....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
巌の一枚戸のような奴がまた恐しく辷りが良くって、発奮みかかって、がらん、からから
山鳴り震動、カーンと谺を返すんです。ぎょっとしました。 その時です。 (どこへ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
さい。これだけです。」 「スモレット船長、」と医師は微笑しながら言い始めた。「大
山鳴動して鼠一匹という寓話を聞かれたことがありますか? 失礼ですが、あなたはその....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
、浮かぬ顔をしてそう答え、即座に何やらくしゃくしゃと書き、私の方によこす。 「島
山鳴動して猛火は炎々と右の火穴より噴き出だし火石を天空に吹きあげ、息をだにつく隙....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
つけて、押込んだ。銃声と、砲声とが、入り乱れてきた。兵の後方で、土煙が噴出した。
山鳴がして、兵の頭へ、雨のように降ってきた。七八人の兵が、堡塁の所へ、しゃがんで....
「俊寛」より 著者:倉田百三
もしれない。 成経 (耳をおおう)わしはたたりを恐れます。 俊寛 (この前後より
山鳴動することはげしくなる)みなたたりかもしれない。(何ごとかを思いだす。おのの....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
いをやり、夜は、しばらくほってあった学課の勉強や、その他の読書に専念した。 「泰
山鳴動して鼠一疋も出なかったね。」――ある日、彼は俊三にそんなふうにひやかされた....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
の異様な鳴動が聞えるのであった。謂わば崩落の前兆であるその物音を、炭坑の人びとは
山鳴りと呼んで恐れていた。 この場合の物音が正しくそれであった。発火坑内の坑木....