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岐路
「岐路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
岐路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
つつあるのでございます。――
私は感情の激昂《げっこう》に駆られて、思わず筆を
岐路《きろ》に入れたようでございます。
さて、私はその夜以来、一種の不安に襲わ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
うとする現代にあっては、帰納法の根本的欠陥は往々無反省に閑却される。 さて私は
岐路に迷い込もうとしたようだ。私は再び私の当面の問題に帰って行こう。 外界の刺....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
人が二人であるか、或は一人で何等かの特殊な方法に依ったものであるか、と言う二つの
岐路に再度逢着します。――ここで私は、もうひとつの謎をこれに結び付けてみる。即ち....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
なった。 「意識して求める方向に求めるものを得ず、思い捨てて放擲した過去や思わぬ
岐路から、突兀として与えられる人生の不思議さ」が、復一の心の底を閃めいて通った時....
「河明り」より 著者:岡本かの子
捨てられないのである。その方向からすれば、この家の娘への関心は、私に取って一時の
岐路であった。私の初め計劃した物語の娘の創造こそ私の行くべき本道である。 だが....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
本人の貴方ゆえに、充分信用してはいるが、これはわれわれの任務の成否に関する重大な
岐路となるのでねえ」 「大丈夫ですよ、そんなこと……」 僕はそういわざるを得な....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
場所は――前記のは、桂川を上る、大師の奥の院へ行く本道と、渓流を隔てた、川堤の
岐路だった。これは新停車場へ向って、ずっと滝の末ともいおう、瀬の下で、大仁通いの....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
い。こうした場所と、身の上では、夜中よりも人目に立たない、静な日南の隙を計って、
岐路をあれからすぐ、桂谷へ行くと、浄行寺と云う門徒宗が男の寺。……そこで宵の間に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
かぽかした好い天気。…… もっとも、甲州から木曾街道、信州路を掛けちゃあ、麓の
岐路を、天秤で、てくてくで、路傍の木の葉がね、あれ性の、いい女の、ぽうとなって少....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いんでしょうか。」 「海ならあります。ここいらは叔母さん、海岸の一筋路ですから、
岐路といっては背後の山へ行くより他にはないんですが、」 「困りましたねえ。」 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
女の一|生の大事はいうまでもなく結婚でございまして、それが幸不幸、運不運の大きな
岐路となるのでございますが、私とてもその型から外れる訳にはまいりませんでした。私....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
すから僕は水には音あり、樹には声ある文章を書きたいとかせいでいる。 話は少しく
岐路に入った、今再び立戻って笑わるべき僕が迷信の一例を語らねばならぬ。僕が横寺町....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
丸めていたのです――道理こそ、可心が、大木の松の幽寂に二本、すっくり立った処で、
岐路の左右に迷って、人少な一軒屋で、孫を抱いた六十|余の婆さんに途を聞くと、いき....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ので、わッと云うと、荷のあった前を山を飛越すように遁げたんですって。 ――話は
岐路になりますけれども、勉強はしたいものですわね、そのお小僧さんは、ずッと学問を....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ェのような天才であって、社会の圧迫に余儀なくされ、あるいは求めて反抗して誤まって
岐路に奔った気の毒な犠牲であるように考えていた。少くも渠らが世間の道徳に背いたに....