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岑
「岑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
岑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
…余《よ》今試験のため、すなわちパンのために、恨みをのみ涙をのんでこの書を読む。
岑々《しんしん》たる頭《かしら》をおさえて未来｜永劫《えいごう》に試験制度を呪詛....
「観画談」より 著者:幸田露伴
み付いた。 間遠に立っている七、八軒の家の前を過ぎた。どの家も人がいないように
岑閑としていた。そこを出抜けるとなるほど寺の門が見えた。瓦に草が生えている、それ....
「運命」より 著者:幸田露伴
所多きも、 豈識らんや 老の会臨するを。 志士は 景光を惜む、 麓に登れば 已に
岑を知る。 毎に聞く 前世の事、 頗る見る 古人の心。 逝く者 まことに息まず、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めました。 これは出鱈目《でたらめ》でもなく、即興の反芻《はんすう》でもなく、
岑参《しんしん》の詩を、淡窓《たんそう》の調べもて、正格に吟じ出でたものでありま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 「遼東九月の歌とは……」 「かりに拙者が名をつけて吹かせてみたものです。唐の
岑参《しんしん》の歌、遼東九月蘆葉断つ、遼東の小児蘆管を採る……あの心を取って吹....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ならばかもかも為むを恐みと振りたき袖を忍びてあるかも」（巻六・九六五）、「高山の
岑行く鹿の友を多み袖振らず来つ忘ると念ふな」（巻十一・二四九三）などである。 ....
「初雪」より 著者:秋田滋
がながく海のなかに突き出て眼界を遮り、一望千里の眺めはないが、奇々妙々を極めた嶺
岑をいくつとなく擁するその山姿は、いかにも南国へ来たことを思わせる、うつくしい眺....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
御会へのぞみました。 集まる人々には河内の躬恆、紀の貫之、右衛門の府生壬生｜忠
岑、小野小町、大伴黒主はじめこの道にかけては一騎当千の名家ばかり――その中で、い....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
も、或る程度まで舞台の上に採用されたのは、恐らくこれと「新開場梅田神垣」（川尻宝
岑作、二十一年一月、市村座）などが嚆矢ではないかと思うことである。 黙阿弥作の....
「上野」より 著者:永井荷風
谷中の諸寺院をはじめ、根津権現の社地にも古来都人の眺賞した名木が多くある。斎藤月
岑の東都歳事記に挙ぐるものを見れば、谷中日暮里の養福寺、経王寺、大行寺、長久院、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
うと、再び大西洋航路に身を託したのであった。） 八、南米行 客舟辞、伯東港上
岑。 （八、南米行 客船は里港より出て、風も雨も夏の深まりを知る。仏の海で涼気....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
しけるが、是非なく声をあげてまた案内を乞うに、口ある人のありやなしや薄寒き大寺の
岑閑と、反響のみはわが耳に堕ち来れど咳声一つ聞えず、玄関にまわりてまた頼むといえ....
「三国志」より 著者:吉川英治
彼にゆるし、与うるに五万の兵をもってした。 華雄は再拝して退き、李粛、胡軫、趙
岑の三名を副将として選抜し、威風堂々と、その日に、※水関へと進発して行った。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
万夫不当、みな千軍万馬往来の士である。なお見よ。左列の于禁、徐晃のふたりは、古の
岑彰、馬武にも勝る器量をそなえ、夏侯惇は、軍中の第一奇才たり。曹子孝は、平常治策....
「三国志」より 著者:吉川英治
れ、北原の彼方、重畳たる山々は、星の下に、黒々と更けて行った。 魏の鎮遠将軍｜
岑威は、この夜、蜿蜒たる輜重隊を率いて、隴西の方から谷をめぐり山をかけて、真夜中....