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岩国
「岩国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
岩国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
ないだけに華奢《きゃしゃ》に見えるのさ」
母は昔ものだけあって宅《うち》にある
岩国《いわくに》かどこかでできる麻の蚊帳の方を賞《ほ》めていた。
「だいち寝冷《....
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
十二月十日に文吉を連れて下関を立った。それから周防国宮市に二日いて、室積を経て、
岩国の錦帯橋へ出た。そこを三日捜して、舟で安芸国宮島へ渡った。広島に八日いて、備....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
で、わざと小声で軍議を廻らし、「厳島の城を攻められては味方の難儀であるが、敵方の
岩国の域主、弘中三河守は、こちらへ内通しているから、陶の大軍が厳島へ向わぬよう取....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
に徳山市へのびている。 東京駅の案内所でしらべたとき、下関行急行は朝の四時すぎ
岩国へつく筈であった。そこで、支線にのりかえるのが順序と教えられた。 これまで....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
る。明の万暦二十四年の生であるから、長崎に来た時は五十八歳であった。曼公が周防国
岩国に足を留めていた時、池田|嵩山というものが治痘の法を受けた。嵩山は吉川家の医....
「ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
けまりだったかな。」 「日本の花火の名所は、東京両国橋ですね。」 「ええそのほか
岩国とか石の巻とか、あちこちにもあります。」 「なるほど。さあ、支度。」陳氏は二....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
の下流、海に近い田畑の中にあった。今では山陽線の下り汽車に乗ると、麻里布駅の次が
岩国駅になっているが、稲田家はその麻里布駅に近く、私の家は
岩国駅に近い。しかし当....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
橋をあっちこっちから。この橋はまだ本ものは一度も見ません、あなたは? 宇野千代は
岩国のひとよ。ほかに
岩国のひともあったようですね、学者で。明朝東京は七・三〇です....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は謂わば二等も三等もないという有様でした。久喜で降りるときには窓から降りました。
岩国では昇降口から出ましたが。半島へかえる人々解除の人々、それがみんな体のもてる....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
でやっていましたが、今日はそもそも何十里ばかり駈けましたろう。まっすぐにのばすと
岩国《いわくに》の錦帯橋《きんたいばし》まで行っているかも知れん」 阿古長は、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るうち、故郷もとの母が死去したので、功を半ばに帰国しました」 「お国は」 「周防
岩国の産です。――で私は、帰国した後も、毎日、練磨を怠らずに、錦帯橋の畔へ出て、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
」
「ばかな!」
「わしは、岸柳佐々木小次郎だが」
「えッ……?」
「祖先以来、
岩国の住、姓は佐々木といい、名は小次郎と親からもらい、また剣名を岸柳ともよぶ人間....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
間、一語を発しる者もなかった。 手を拭いた牡丹色の武者羽織は身を伸ばして、 「
岩国川の水のようだ。……故郷を思い出すなあ」 と、つぶやいて、しばらく、隅田河....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、それへ腰をおろして、忠利と対いあった。 「仔細、角兵衛から聞いておるが、生国は
岩国と申すか」 「御意にござります」 「
岩国の吉川広家公は英邁の聞えが高い。そち....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
改心しないものだからお定まりの拷問がどこでも始まりました。そのうちの一つ長州萩の
岩国屋敷の雪責めの話―― 山中村落の二十二歳になるツルという娘がおりました。父....