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岩室
「岩室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
岩室の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
は、穴の屈曲に従って 拗《ねじ》けた瘤《こぶ》をつけ 波打つ襞《ひだ》を重ねる。
岩室がぽっかり袋のように広くなったところもある。洞内の貫きよう、壁皴《かべひび》....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
であろう。本庄正宗の大刀を腰にすると忽ち栗毛の馬に乗った。城内から出た時は小姓の
岩室長門守、長谷川橋介、佐脇藤八、山口飛騨守、賀藤弥三郎の五騎に過ぎない。そのま....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
ある。私はその時なんという事なしに矛盾不調和を感ずる一方では、またつめたい薄暗い
岩室の中にそよそよと一陣の春風が吹き、一道の日光がさし込んだような心持ちもあった....
「大江山」より 著者:楠山正雄
て、まっくらな林の中の、岩ばかりのでこぼこした道をよじて行きますと、やがて大きな
岩室の前に出ました。その中に小さな小屋をつくって、三|人のおじいさんが住んでいま....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
いが、この娘を何かしら、神々しく見せるのだった。 そこは、部屋とはいえ、むしろ
岩室と呼ぶほうが似つかわしいであろう。それとも、教坊の陰気臭さが、奇巌珍石に奥ま....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
してみせると、そのひとはむやみに同情して、この辺には宿屋なんかないから、大室山の
岩室ホテルへでも行くほかはなかろうと、おしえてくれた。 「ホテルになんか、とても....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
上温泉の下流、小松の発電所の付近である。でなければ支流の片品川の吹割の滝の下流、
岩室付近である。近年、上毛電力の堰堤が糸の瀬にできて遡れなくはなったが――。この....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
イとイタリアのマルシと
(海の牡牛、海の犢、牡羊に乗れり。)
キプロスの荒き
岩室に、
海の神にも塞がれず、
地震の神にも崩されず、
常世の風に吹かれつゝ、
....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
った。それも尽きて、野末の山を見ると、 「では、お別れ申しまする。……彼方の山が
岩室で、まもなく、金剛寺の西の国分峠、あとは南へ南へと、粉河までは、山つづきです....